ケガをするのは‘鍛え方が足りない’からではない

gooニュース
https://news.goo.ne.jp/article/numberweb/sports/numberweb-841359

  今年の夏は大船渡の佐々木朗希が県予選の決勝で‘ケガの回避’
という理由で登板せず敗れた事で、大いに話題になったし高校野球
の球数制限問題など一気に高校生の故障予防に関する事例が世間の
耳目を集め始めた。

 今月に入ってスポニチでは元カープの達川光男が半生記を連載し
ているのだが、その中で印象に残ったエピソードとして‘自分は決して
上手くなかったから続いたけど自分より上手い連中は上級生達から
目をつけられて無茶な投げ込みや走り込みで潰されていった’とか
‘優勝投手になった佃正樹は入学当初は剛速球投手だったのが投げ
込みのし過ぎで球速が落ちカーブ投手になっていた’などがあった。

 これを見ると日本の高校野球界は昭和の時代に相当な人材殺しを
していたわけで、今のような少子化でこのような指導をしていたら誰も
野球などやらないだろうと思える話である。

 実は小学校時代にキックベースをしていて中学の野球部でエース
になり、いい球を投げていた子が先日腰の疲労骨折をやっていた。

 恐らく腰の痛みを訴えて治らないので病院に行きレントゲン検査で
分かったのだろうが、今は昭和の時代に比べてレントゲンの技術も
進化しているので昔なら見過ごされていた小さなヒビなどが分かる
ようになっている。

 だから昔感覚の指導者が‘今の子は骨が弱く、ちょっとの事で骨折
する’とボヤくが、当時のレントゲン技術で見落とされ腰や背中の痛
みをなどを訴えながら痛み止めを射ちながら練習や試合をこなし代
償として高校で潰れるというケースが多々あったという事ではないか。

 昭和の末期に坂東英二が‘野球は瞬発力が大事なのだが180㎝台
後半になると日本人はジャイアント馬場に見られるように動きが鈍い
ので、あまり大きな子は野球選手には向かない’という話を著書に記
していた。

 しかしダルビッシュ有や大谷翔平のように日本人選手も190前後の
選手がMLBでも活躍できるようになったのを見ると坂東説も怪しいと
しか思えないし、今回の佐々木の例でも分かるように大柄な子は体が
できる前に画一的なメニューでしごくと故障しやすいという事が分かっ
た今では彼らをケガをするような練習をさせる指導法が間違っている
という事になる。

 それを考えると守旧派OB達が常々言う‘鍛え方が足りないから
ケガをする’という説は、一握りの成功の裏側に相当数のケガで
潰れた者達を無視した論説で少なくとも少子化の現在では当て嵌ま
らないのではないか。

 今回マリーンズに入団した佐々木朗希に球団は順天堂大と提携して
ケアしていくという方針を明らかにしているのに対し、やはりというべき
か昔感覚のプロ野球OBやメディアは‘過保護’と批判があるが こういう
ケアは絶対に必要だと思うし己の成功体験を基にしたコーチングは過
去の異物にならないといけないだろう。

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