日大三が7年ぶり8強!龍谷大平安に競り勝った、押し出し死球で勝ち越し
今日でベスト8が決まる大会13日目の注目カードは第4試合の日大
三-龍谷大平安戦。
両校は02年以来の対戦で当時は初戦で平安が勝ったのだが今大会で
は2試合づつこなしているわけで、共に好調同士ではあるが日大三の
2人の投手陣を平安打線がどこまで捉えられるか。
第1試合は複数投手の継投で攻撃力の高い智弁和歌山や前橋育英を抑
えている近江に対し、初戦で打ち勝ち2回戦では完封勝ちと調子を上げ
て来た菊川打線が何点取れるか。
第2試合は金足農・吉田を横浜打線が捉える事ができるか。
第3試合は2試合連続で終盤の逆転劇を演じている下関打線が木更津・
野尻を攻略できるか。
第1試合:近江 9-4 常葉大菊川
1回に3番&4番の短長打で先制した近江は、3回にも9番のヒットを
足場に3番の死球などで2アウト1・2塁から再び4番のタイムリーで2
点目を挙げる。
更に5回には1アウトから1番のヒットとバント1塁悪送球で1・3塁
から2アウト後4番が三たび2ベースで2者を返し4-0とリードを広げ
たのに対し、林の前に6回まで1安打の菊川は7回に2番の内野安打と
死球で1アウト1・2塁から5番のタイムリーでようやく1点を返したも
のの近江はその裏にヒットで出塁した9番&2番を4番の3ベースで返し
6-1と突き放す。
8回にも6番の2ベースを足場に3安打にスクイズまで交えて3点を
追加したのに対して、菊川も9回に1番の3ベースと犠牲フライに
5番の2ランで3点を返すが時既に遅し。
近江の4番・北村が4打席全てでタイムリーを打つ大活躍を見せ
たわけだが、菊川にとって悔やまれるのは先発の林から5回まで全
く打てずにノーヒットに終わった事だろう。
‘自分達で考えるノーサインスタイル’は嵌った時は強いが今日の
ように通じないと7回のように1アウト1・3塁で、投ゴロの間に3
塁ランナーがホームに突入し併殺になるような形になりがちで諸刃
の刃という事だろう。
第2試合:金足農 5-4 横浜
1回に横浜は3ベースで出塁した1番を1ゴロで返し先制すると、
更に3番&4番の連打と四球で満塁として暴投で2点目を挙げる。
2回までランナーを出しながら得点できなかった金足は3回に2
アウトから2番が3ベースで出塁すると3番の2ランで追い付く。
6回に横浜は四球で出塁した6番をバントで送り2アウトから9
番がライト前に落として勝ち越すと7回にも4番以下の3連打で4
点目を挙げたのだが、8回に金足は3番&4番が連打し1アウト後
6番の3ランで逆転し9回を吉田が3者連続三振に討ち取り鮮やか
な逆転勝ち。
横浜は吉田の立ち上がりを攻めて2点を先行し一旦追い付かれる
ものの6回に勝ち越すと7回にも追加点を挙げ、8回にも先頭打者
の2ベースから1アウト3塁としたが2番&3番が凡退し無得点に
終わったのが流れを変える事になったようだ。
逆転の場面もノーアウト1・2塁からバント失敗の投フライで流れ
が切れたと思われた直後の3ランだっただけに、8回に得点できな
かった事が試合の流れを手放す形になったのかもしれない。
第3試合:下関国際 4-1 木更津総合
2回に下関は死球で出塁した6番がバントの処理ミスで1・3塁とし
1ゴロエラーで先制すると、9番のゴロで2・3塁にランナーを進め
1番のタイムリーで2点を先行する。
3回に木更津が2アウトから1番のHRで1点を返し‘次の1点’
が焦点になる中、8回に下関は2番が四球で出塁し盗塁とバントで1
アウト3塁から4番のタイムリーで1点を追加すると9回にも8番&
1番の短長打で突き放した。
木更津にとって悔やまれるのは4回に3番&4番の連打にエラーを
絡めたノーアウト2・3塁のチャンスで5番以下が凡退して同点機を
逃した場面で、ここで追い付けなかった事から攻撃に焦りが出たよ
うで7回に1アウト2塁から1番の1塁ファウルフライで2塁ラン
ナーがタッチアップしてアウトになったシーンなどが象徴的だった。
第4試合:龍谷大平安 3-4 日大三
2回までランナーを出しながら無得点だった日大三は3回に1番
のHRで先制すると2番&3番の長短打で2点を先行。
4回まで1安打の平安は5回に4番&5番の連続四球とバントで
1アウト2・3塁とし7番の2ゴロと8番のタイムリーで追い付く
のだが、6回に日大三は2アウトから7番&8番の短長打で勝ち越
すと直後の7回に平安も1アウトから四球で出塁した7番を2塁に
進め9番のPHがライト前に落として再び追い付く。
8回に平安は2番手の河村を攻め2アウトから連続四死球で1・2
塁から6番のショートへの内野安打でホームを突いた2塁ランナー
を2塁手からの好送球で刺したのに対し、その裏に日大三は先頭の
5番が2ベースで出塁するものの連続三振で2アウト後8番が歩き
9番の1ゴロエラーで満塁から1番が死球押し出しで決勝点。
結果的に8回の攻防が明暗を分けた形で10安打の日大三に対し
4安打に抑えられた平安が、日大三の2人の投手から7四死球を選
んで2度追い付き食い下がったわけで例えば8回に勝ち越せていた
ら日大三の勝ち越しもなかったかもしれないと思ってしまう。