1年前のトリノでは

　今日は2月15日。昨年の今頃はトリノ五輪が行われていた。
　ところで大会前は‘メダルの色に拘らなければ長野の数を
越える可能性が高い、メダルラッシュは確実’なる景気のよ
過ぎる記事が氾濫していた。
　ただ私としてはあまりにもメダル候補が多すぎて金候補と
いえばスピードスケート男子500ｍの加藤条治ぐらいしか見当
たらず、行われる14日未明にメダルが取れないと女子フィギュ
アまで期待薄と思っていた。
　それぐらい大会前半にメダル有望種目が集中していたのだ。
　まず2大会連続で里谷多英が金と銅を取っていた女子モーグ
ルは上村愛子が課題にしていたエアは決めたものの思ったより
得点が伸びずに5位、里谷はケガの後遺症で15位に終わった。
　‘表彰台独占も’と言われたスノーボードの男子HPでは國母
や成田、中井らが全員予選落ちの惨敗。女子も中島の9位が最高
で期待の今井は転倒で予選落ちしている。
　頼みのスピードスケート男子500ｍはエースの加藤が1本目に
失敗し11位、2本目で盛り返したものの6位に終わり1本目に01
差で4位に付けた及川が2本目も健闘したが結局通算4位に終わり
サラエボ以来6大会連続で獲得していたメダルを失う。
　もしやと思われた女子500ｍでも1本目3位につけた岡崎朋美は
通算で4位、エースの大菅小百合は8位でまたしてもメダルならず。
　この頃から‘メダルラッシュ’なる戯言を垂れ流し続けていた
マスコミもパニックになり‘76年以来のメダルゼロか？’と騒ぎ
‘何でこんなに弱いのか！’と色めきたっていた。
　先程述べたようにハッキリ言って加藤以外の金候補がいないの
でかなり厳しいとは思っていたがなぜか？
　これはあらゆる種目に優勝候補と言われる者達が必ず5人はいる
わけで、メダル候補とはそれ以外の連中を言う。
　つまり2位や3位は優勝候補達より力の落ちる連中のメダル候補に
はよほどの事がない限りないという事だ。入賞するだけで精一杯と
いう事なのだ。
　以後もスピードスケートの団体やジャンプの団体など‘ひょっと
したら？’と思われた種目も入賞が精一杯だった。
　女子フィギュアの3人にこれではかなりのプレッシャーをかけて
しまうと心配していたのがこの頃だった。