梶原一騎原作の野球マンガの‘功’の部分は

 我々が子供の頃に見ていた番組に巨人の星や侍ジャイアンツなど、
いわゆる‘スポ根もの’があった。

 今でこそ巨人の星や侍ジャイアンツなど特に梶原一騎原作の作品
では科学的考証を一切無視した特訓や魔球が登場するので、かなり
ムチャクチャとか下手すればお笑いネタにされるケースが多いため
‘罪’の部分ではあるが意外に‘功’の部分もしっかりあるのだ。

 というのも梶原一騎原作の作品ではジャイアンツをはじめとした
プロ野球機構が協力してくれていたので、王貞治や長嶋茂雄に川上
哲治監督といったジャイアンツの名の知れたメンバー以外にCMなど
では見なかった黒江や森といった選手達に、他球団の江夏豊や田淵
幸一らまでも これらの作品を通じて知る事ができたのだった。

 主役の投手とライバルの打者の対決だけでは座がもたないので、
主役投手の魔球を打てない打者として現役の選手達が登場すると
いうのがパターンだろう。

 長嶋と高田が神宮のヒーローで、王や柴田は甲子園のヒーロー
だった事も作中で語られるし牧野ヘッドコーチの存在まで知る事が
できたのも梶原一騎作品のおかげだろう。

 そして最も有名だったのが68年9月18日に甲子園で行われたタイ
ガースvsジャイアンツ戦。

 10-2でジャイアンツが勝った試合ではあるがジーン・バッキーが
王貞治への危険球からの乱闘からバッキーと荒川コーチが退場に
なった後、登板した権藤が王の頭部にぶっつけてタンカで運ばれた
直後に長嶋が乱闘に参加せずにHRを打つというのが この試合のハイ
ライトだろう。

 この試合は巨人の星では長嶋のHRで‘これぞジャイアンツ魂’と
絶賛されるのだが、直後に花形満が星飛雄馬の大リーグボール1号を
HRしたもののホームイン直前に特訓のダメージで倒れタンカで退場
して‘これぞ猛虎魂’と絶賛される。

 また侍ジャイアンツは大阪のホークスファンからの挑発に乗って
しまった番場蛮を諭すため、移動の新幹線での車内で長嶋から聞か
されるのが この試合での事。

 68年9月18日の試合は当時4歳だったので本来なら当然知らないの
だが、知っているのは巨人の星や侍ジャイアンツで見ていたからだ。

 それを考えると梶原一騎作品は今の作品と違い実在の人物が登場
する事から、大人の話題への足がかりになる貴重な作品だったわけ
だろう。
 

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コメント
 
 
 
Unknown (テコンドーを五輪から除外しろ!!)
2015-08-25 23:21:04
「巨人の星」で沢村栄治と吉原正喜を取り上げたことも功績の一つだと思う。
余談だが、吉原の回は、主人公の星飛雄馬がただの1度も登場しない珍しいエピソードです。
 
 
 
なるほど (こーじ)
2015-08-26 22:54:44
>テコンドーを五輪から除外しろ!!
 たしかに過去の名選手物語をたまに挿入してましたね。

 吉原編は私も記憶がありますが、星飛雄馬が登場しなかったというのは初耳でした。
 
 
 
Unknown (ヤクルトファンだけど)
2015-08-27 18:16:47
飛雄馬と投手交代のため、高橋一三さんが打ち込まれるシーンがやたらあって、ちょっと気の毒だなと思って見ていたことを思い出しました。
あと、花形の名前は満ですね。
 
 
 
さっそく (こーじ)
2015-08-27 22:43:12
>ヤクルトファンだけど様
 高橋一三だけでなく堀内も星や番場の前に登板して打たれるシーンは多々ありました。

 何かプロレスの吉村道明的な扱いになってました。

 さっそく花形の名前は書き直しました。

 花形進は元WBAフライ級王者ですね。
 
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