早いものでサッカーアジア杯で開催国のオーストラリアが韓国
相手に延長の末2-1で勝ち初優勝をして1週間が経ったのだが、
連覇を期待された日本代表がベスト8でUAEと1-1の引き分け
の末PK負けして姿を消す事になった。
大会後ハビエル・アギーレ監督がスペインリーグ時代の八百長
疑惑で解任されるなど激震が走った日本だが、主力選手の高齢化
といった問題までが今さらのように取り上げられるなど96年の
UAE大会でのベスト8敗退で日本のメディアもパニックになって
いる感が拭えない。
ただ個人的には今回の敗退は意義ある負けだと思っている。
アジア杯優勝のアドバンテージの1つにW杯の1年前に開催される
コンフェデ杯への出場権の獲得があるのだが、4年前のザッケローニ
体制では優勝した事による弊害も結果的にではあるが露呈したという
事を忘れてはいけない。
つまりザック・ジャパンはアジア杯で優勝する事でファンやマス
コミの信頼を得た反面、メンバーの固定化を招きチームの硬直化に
つながってしまった。
本来なら世代交代を促す意味で新戦力を多く起用するべきだと
考えていたがアギーレ監督は、ファンやマスコミの信任を得るた
めか結果を出す事に拘りブラジル組中心で臨んでいた。
仮にこのメンバーで優勝していたらメンバーの入れ替えが難し
くなる事を意味するので、世代交代を図らないといけない事情を
考えれば優勝を逃す事が長い目で見れば有意義ではないかと思う
のだ。
実際にフィリップ・トルシエ率いる日本代表が99コッパアメリ
カに後の主力となったシドニー組が召集できなかったのでフランス
組を中心にしたメンバーで臨み1分2敗と完敗した事から、以後は
シドニー組を中心にしたチームにシフトチェンジできたという成功
例がある。
以前も記したように04年までアジア杯はW杯中間年開催だった事
から代表キャンペーンの中間テスト的な性格があったので最低でも
ベスト4というのがあったが、07年からW杯翌年開催になったの
で位置付けが難しくなってしまった。
実際に07年大会で優勝したイラク&準優勝のサウジアラビアの
ファイナリストは共にW杯出場を逃しているし、11年大会の日本
らもW杯出場しているものの1勝もできずに終わっている。
今回のベスト8での敗退は確かに痛いものの、これを契機に世代
交代が一気に進みロシア大会で いい結果が残せれば有意義な負け
だったという事になるだろう。