朝青龍のターニングポイント

　横綱・朝青龍が昨日から左肘を痛め？休場した。
　実質2度目の休場となるが、昨今の朝青龍は場所前から稽古不足が
指摘されていて それが的中した形となった。
　以前 私は朝青龍の稽古不足に対し‘年齢と共に衰える体力に合わせた
稽古をしているのでは’と好意的に思っていた。

　日本人の悪いところに‘練習中心主義’がある。

　確かに若い頃ならばオーバーワーク寸前まで追い込む猛練習も理に
かなっているが、20代後半になって体力が落ちてきているのにオーバー
ワーク寸前まで追い込むような練習をすれば大変な事になる。
　確かに、ここ数年の朝青龍の稽古不足は指摘されていた。
　ただ付和雷同的に朝青龍の不調の原因を稽古不足に帰すのは危険な
話だ。

　私的には朝青龍のスランプとも思える不調は、スタイルの転換期に
入ったからだと思えるのだ。
　朝青龍の相撲はスピード相撲だ。
　立会い素早く相手の懐に飛び込んで自分の形に持ち込むというもの、
これができたからこそ決して大型ではない体格でも22回もの優勝を飾る
ことができていた。

 　ところが年齢を重ねるとスピードは落ちやすい。

　今場所の朝青龍の相撲を見ていると全盛時なら、そのまま万全の体制に
なって勝負を決めていたのが粘られて動きが止まるケースが多かった。
　　これは絶対的なスピードが衰えてきた証拠ではないかと思うのだ。

　考えてみると千代の富士も横綱昇進直後は前ミツを掴んで一気に寄り
切るスタイルだったが、途中からは左上手を取って右手で相手の頭を押
さえつけながら投げ飛ばす‘ウルフスペシャル’を決め技にするように
なった。　

　朝青龍も衰えたスピードをパワーで補うスタイルに切り替える時期に来て
いるのではないかと思う。
　衰えたスピードだけでは白鵬などに勝ち目はないと思えるのだが・・・・・