川淵氏「地域密着理解された」=歴代チェアマン、20周年で会見―Jリーグ(時事通信) - goo ニュース
一昨日がJリーグ開始から20周年という事でパーティーが開催され、初代
チェアマンの川淵三郎氏が‘地域に根差すスタイルが、日本中の理解を得ら
れたのは大成功’と語ったらしい。
何かと独裁的だとか言われる川淵氏だが最大の功績は単なる企業対抗に
過ぎなかった日本のプロスポーツを欧米並みの地域密着型に変革した事だろう。
Jリーグが始まるまでは日本のプロ野球のような企業対抗戦に過ぎず89年に
南海ホークスが身売りで福岡に移転して福岡ダイエーホークスと名乗ったのが
稀有な例で地域密着など‘何それ?’状態だったのが現状で、プロ野球の主的
な存在のジャイアンツが03年に前年チームを日本一に導いた原辰徳監督が
辞任した時に某社長が‘読売グループ内の人事異動に過ぎない’とうそぶいた
のが企業の論理のみで運営されるプロ野球の現状を表していた。
それでもパ・リーグはホークスの福岡移転成功に刺激されてマリーンズが
千葉に、ファイターズが北海道に移転するなど関東&関西集中が解消された。
MLB・NFL・NBAのアメリカにしろサッカーをはじめとしたヨーロッパのプロ
スポーツチームは必ずホームタウンを名乗り、地域密着が当たり前になって
いるのに対しプロ野球を中心にした日本のプロスポーツは企業の論理のみで
運営されていた。
Jリーグ立ち上げの時に読売の某社長が企業名を外して地域名で名乗るという
方針に対して猛反発したのを抑え込んで始めただけでなく、チーム数が多過ぎる
という批判をものとせずに20年でJ1が18、J2に至っては22と増やしていった。
これこそ企業の広告塔に過ぎないプロ野球をはじめとした他のスポーツでは
できない事だろう。
しかも04年に一部の狂信的な経営者達によって10球団による1リーグ制にプロ
野球が歪められかけた時に‘Jリーグがチーム数を増やしているのに、何でプロ
野球が12でやっていけないのか’と多くのスポーツファンが疑問に思ったはずだ。
野球でも高校野球が国民的な熱狂を生んでいたのは地元のチームを応援する
という原点だし、チームが1つの企業の持ち物だったら その企業の地元は そこ
まで熱狂しないはず。
サッカーの地域密着スタイルの成功がプロ野球の10~8球団の1リーグ制から
救った事になる。
そういう意味ではスポーツ文化の王道である地域密着スタイルが、これからの
日本のプロスポーツの主流になる事を期待したい。