ピッチャーはアテにならない

 昨シーズン大活躍したホークスの斉藤和己が苦戦している。
 早くも評論家をはじめとした連中が‘大誤算’などと言って
大騒ぎしているのだが、私に言わせると想定の範囲内である。
 考えてみて欲しい。03年に日本シリーズMVPを獲得した杉内
俊哉が04年には不調で腹いせに椅子を殴って手を骨折、翌05年
には18勝して復活と思わせたが昨年は4勝に終っている。
 その杉内が今年は絶好調で3試合登板でまだ失点0!‘ドク
ターゼロ’などと早くもマスコミは騒いでいるのだ。
 杉内の例を見ても分かるようにピッチャーというのは1年良
ければ1年悪いというパターンの方が一般的で、むしろ毎年素
晴らしいというケースの方が稀なのだ。
 90年にジャイアンツは斎藤雅樹の20勝を筆頭に桑田、宮本、
香田、木田が2桁勝利を挙げ槙原も9勝と投手王国と言われた。
 95年はスワローズが石井一久、山辺太、吉井理人、Tブロス、
伊東昭光が2桁勝利。更に05年の千葉も清水、渡辺、小林、小
野、セラフィニらが2桁勝利を挙げている。
 ところがこの3チームは翌年揃って4位、Bクラスに落ちている。
 つまり2桁勝利のピッチャーが4人以上いるという事は彼らが
翌年成績を落とすケースの方が多いのだ。
 V9末期のジャイアンツは堀内恒夫と高橋一三という左右の2枚
エースがいたが、彼らが揃って良かった年がなく川上監督も苦労
したと言われた。ただ逆に言うとどちらかいい方のピッチャーが
軸になって活躍したわけで揃って良ければ9連覇まで行けなかった
のではないかと思われる。
 05年のシカゴはワールドシリーズで優勝した。
 つなぎのバッティングをした‘スモールベースボールの勝利’
と言われたのだが実際はスターター5人がこの年絶好調だった事を
忘れてはいけない。
 06年は‘今年もスモールベースボール’とオジー・ギーエン監
督が言ったものの、毎年40本以上のホームランを打つジム・トーミ
らホームランバッターを補強した。
 結局地区3位に終わりプレーオフ出場すら逃したのだが、日本の
評論家はこの時とばかりに‘スモールベースボール放棄が原因’と
言っていた。
 確かに05年に比べホームラン数は伸びたが盗塁数は減った。
 ただ前年あれだけ良かったスターターがコントレラス以外は不調
だったのを忘れてはいけない。
 シカゴのフロントは‘05年は先発陣が良すぎたので今年は昨年よ
り成績は落ちるだろう。05年並によければスモールベースボールで
も勝てるが、昨年より悪い可能性が高いから昨年以上に点を取らな
いと勝てない’と思ってホームランバッターを補強したに違いない。
 やはりフロントがプロのMLBと‘今年良かったのだから来年も好調
に違いない’と勘違いするド素人のフロントの日本の違いだろう。
コメント ( 3 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
毎年毎年 (柴田真紀)
2007-04-10 00:18:48
 誰も全然活躍しない、どっかの神奈川方面のチームよりマシです。
 
 
 
Unknown (GOSIN)
2007-04-10 06:38:14
やはり、ちゃんとメジャーのフロントは考えてます
よね。確かに、2年連続で好調を持続出来る投手と
いうのはごく稀であり、斉藤和も同じことです。

05年のシカゴもそうですが、06年の福岡SBも
スモールベースボールと言われてましたね。その点
では、今年は小久保と多村を補強したのでそんなに
ひどい事にはならないかとは思いますが・・・。
まぁ、フロントがちゃんと考えたのかは分かりませ
んが^^;
 
 
 
書き込み御礼&レス (こーじ)
2007-04-11 00:26:47
>柴田真紀様
 1年おきでも活躍してくれれば儲けものというヤツでしょうね。

>GOSIN様
 この補強を見たときにメジャーは凄いと思いましたよ。
 それに引き換え日本の評論家達は‘脱スモールベースボールが敗因’の一点張りでしたからね。
 福岡は根本GM時代のノウハウが活かされてますよ。人間のクズがぶち壊した事がありましたけど、しっかり再生されています。
 
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