判定が出る前に終わったボクシング世界戦中継

 今から40年前の今日81年4月22日にソウル奬忠体育館で行われた
WBC:Jバンタム級タイトルマッチで、日本人挑戦者が王者・金 喆
鎬に挑戦したのだが、3者とも1ポイント差の0-3の判定負けでタイ
トル奪取に失敗した。

 王者の突進を挑戦者が巧く捌いた形だったが、ジャッジは王者の
攻勢にポイントを与えた形で惜しくも敗れた。

 ただこの世界戦で印象深かったのはTV中継の放送時間が判定が出
る前に終わってしまったわけで、具体的に言うとTV朝日の1時間半
番組・水曜スペシャルの枠内で中継されていたのが判定が発表され
る前に包装が終了し予告編の枠でタイトル奪取に失敗という事が分
かったのだ。

 この頃の世界戦は15Rだったので1時間半枠で中継する場合は放送
開始17分あたりで試合開始のゴングが鳴り、判定にもつれ込んでも
勝者の発表があってインタビューを流して終了というパターン。

 逆に言うと放送開始20分を過ぎると全部中継できるのか?という
形でヤキモキするわけで、この試合でも試合前のセレモニーが妙に
長く19:30放送開始にも拘わらずゴングが鳴ったのは19:55頃。

 こうなると何とか‘倒してくれ’という思いで見ていたのも虚しく、
判定になったわけで中継も終わってしまうという形になったのだ。

 そういえば今から50年前の71年11月11日行われた柴田国明ーエル
ネスト・マルセル戦で、プロモーターがTV局への嫌がらせでセレモ
ニーを長々と行ったらしく判定が出る前に中継が終わっただけでな
く何となくマルセルが勝った雰囲気だったからか‘マルセルタイトル
奪取’というテロップが出たものの実は引き分けだったという結末。

 また88年9月4日に名古屋で行われたヒルベルト・ローマンー畑中
清詞戦ではローマンのボディブローが2度ローブローになり、合計8
分間のインターバルが与えられたため判定発表が放送時間内に収ま
らなかった事もあった。

 もっともこの試合はローマンが圧倒的に有利だったので判定発表
を見るまでもなかったのだが・・・

 という事で昭和の時代にボクシングの世界戦で3試合ばかり判定が
出る前に放送終了というケースがあったのに対し、それ以降こうい
う事例がないのはありがたい話である。

コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
Unknown (ochimochio)
2021-04-23 19:56:47
こんばんは。
私は世界戦が12回戦制になってからのファンですので、やはり畑中ローマン戦が記憶に残っていますが、それ以前の2戦の話は、初めて知りました。
15回戦は放送枠の調整が今よりさぞ難しかったことでしょう。今より視聴率が凄かった時代に、早く終わった時には懐かしの名場面集で何とか繋ぐことができますが、逆は最悪だったでしょうね。
しかし、冒頭の日本人挑戦者(笑)、一番好きな選手でした・・・
 
 
 
名前を出しづらいのが残念です (こーじ)
2021-04-25 19:05:31
>ochimochio様

 いらっしゃいませ、初めまして。

 冒頭の日本人挑戦者の名前を最初に出そうかなと
思ったのですが、今のご時世ではいろいろとありそうなので自粛してます。

 私も彼の事は大好きで新人王の頃から‘世界を獲るのでは’と思ってましたし、実際に歴史に名を残す王者になったのですが引退後に別の意味で歴史に名を残してしまいました。

 15R時代は流れが決まってましたけど、12Rになってからは選手のプロフィールの紹介など各局が工夫を凝らしていたのですけどね。

 柴田ーマルセル戦はYouTubeにアップされてますよ。
 
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