今年の日本シリーズG5で最終回に西岡剛がホームゲッツーを防ぐ
ための守備妨害を取られただけでなく、制球難のサファテにカウント
2-0からボール球に手を出してファールした事についても批判が噴
出している。
結果が悪かったので批判されるのは仕方ないが、個人的には ああ
いう場面で打ちに行くのが西岡のスタイルではあるので否定する事は
できないものの気になるのが西岡の心理状態で1点リードされて迎えた
最終回の1アウト満塁だからベンチや観客に視聴者達は‘最悪でも犠牲
フライで同点’を願っていたはずだ。
たしかに外野に打球を飛ばせば同点の確率が上がるものの犠牲フラ
イ狙いは曲者で、意外にボール球に手を出しやすいというリスクが
ある。
今から20年前のシリーズG3の8回にライオンズがジャイアンツの
石毛博史から2番・大塚が四球で歩き3番・佐々木のヒットでノーアウト
1・3塁のチャンスを迎えるが、清原と鈴木健が内野フライに倒れ石毛宏
典が四球で満塁からPHパグリアルーロも倒れて得点できなかった。
得点が1-1だったので1点でも勝ち越せば事実上ライオンズの勝ち
という場面で、制球に難のある石毛の高めに外れるボール球に清原と
鈴木は手を出して最終的に内野フライに討ち取られたのだ。
野村克也が以前 犠牲フライを打つコツとして‘高目のボールを反対
方向に持って行くイメージ’と語っていたのだが、そのセオリーで臨むと
球威はあるけどボールになる高めのストレートに手を出すというのは
仕方ない事だろう。
それを考えると西岡の打席が犠牲フライで同点のシチュエーション
だったゆえに2-0から高めのボール球に手を出す事になったのではと
思うし、2アウト満塁だったら却って手を出さなかったのではと考え
るのである。