内海に続き長野が移籍…巨人・石井球団社長「送り出すのは断腸の思い」
15年から4年続けて優勝を逃しているジャイアンツがFAで丸
佳浩や炭谷銀仁朗らを補強したのと引き換えに、人的補償で内海
哲也や長野久義を放出した形になった事が世間で大いに波紋を呼
んでいる。
内海と長野は共にジャイアンツの中心選手だけでなくドラフトで
他球団の指名を受けたものの、ジャイアンツに拘って社会人経由で
入団にこぎつけているだけにジャイアンツOBを中心に動揺が広が
っている形だ。
ただし個人的には中畑清をはじめとしたOBや球団幹部達のウェ
ットさこそが昭和感覚の証で、最近のジャイアンツが勝ててない理
由の1つではないかと思ったりする。
実力主義のMLBではチームの生え抜きだろうが功労者だろうが
力が衰えたり監督の構想から外れれば出されるのは当然だし、選手
達も覚悟の上で割り切っているので今回のような騒ぎにはならない。
日本でもファイターズなどは年俸が高くなると平気で放出するの
で有名だし、結果的に主力選手が抜けた穴は生きのいい若手選手が
埋めるのでチームの新陳代謝が進む形で競争も活性化するため新た
な活力を生んでいる。
FA導入を主導したのがジャイアンツでFA選手を次々に獲得し
ていた反面、人的補償でプロテクトから外れた選手は基本的に戦力
外と見なされる形になっていた事から数年前までは大した問題には
なってなかった。
ところが大竹寛の人的補償でカープに行った一岡竜司がブレイク
してブルペンの中心投手になったり、山口俊の人的補償でベイスタ
ーズに行った平良拳太郎も活躍している事から将来性のある選手達
を持って行かれるのを避けるために今年はベテランをプロテクトか
ら外したのだろう。
冷静に考えれば菊池優星が抜けたライオンズが経験豊富な内海を
新井貴浩が引退したカープも経験豊富な長野を取りに来てもおかし
くないわけで、プロテクトから外すという事は取られるのを覚悟の
上だった事になるのだが本当に取られると一気に動揺するのはおか
しな話だ。
‘功労者がチームを出るのは断腸の思い云々’と弁明するフロント
達のコメントこそおかしなものだし、プロテクトから外したという
事への覚悟がない事を証明した形になっている。
こうして見るとジャイアンツのフロントが一枚岩ではない事を如
実に表しているし、こういったフロントの無能こそが最近の低迷を
招いているといえるだろう。