野球部のGW合宿

　今から28年前、私は高3だったがGWに野球部時代唯一の合宿を行って
いた。
　今年が28年前と同じ暦だったので2日から5日まで3泊4日のスケジュール
だった。
　寝泊りは体育館の柔道場、食事は2年生の父親が高校の裏で営業して
いた食堂、風呂は私の家の斜め前に銭湯があり合宿をするには格好の
環境だったのだ。

　もっとも野球部は合宿初体験だったが、卓球部などは毎年夏休みに行って
いたので要領は聞いていた。
　合宿というと早朝から夜遅くまで鍛えられるというイメージがあるけど、
やってみたら意外に楽だった。

　というのも我々が最上級学年になってから後援会長をしていた近所の
シャッター屋の社長が監督になったのだが、練習がダラダラ長くて気分的に
きつかったのだ。
　ところが合宿になるとタイムスケジュールが決まっているのでメリハリが
利いていた。
　そういうワケで けっこう楽だったのだ。

 　ただし1度 とんでもない事があった。
　それは練習後のミーティングが終わっての事。
　同級生の日蓮クンの父親が合宿をするという事で米を差し入れてくれた
のだが、この米がミーティング後の夜食としてお握りで出る。　

　その日もミーティング終了後に夜食を食べ始めると、部員達から嫌われて
いたOBが‘ちゃんと食ってるか、しっかり食えよ’などと言いながら回って
いたが、途中で何とお握りの皿の所でオナ○を

発射したのだ！

　一気に空気が凍りつき、当然ながら誰もその皿のお握りを食べようと
しない。

　するとOBは自分が出したのを棚に上げ‘おい早く食え’と皿から お握りを
取り出すと部員達に勧め、終いには

‘オレの出したお握りが食えんのか！’と怒り出した。

 ‘卒業してOB会があってもコイツがいる限り出席せんぞ’とその後、
みんなで口々に言っていた。

　ところで3泊4日の合宿だが‘GW中に合宿などするより練習試合を重ねる
べきだった’と思う。
　というのもGWには練習試合が1年の時は2試合、2年の時は3試合を行って
いたのだが我々の時の監督は‘試合をするより練習をしっかりするべき’と
敢えて練習試合を組まなかったのだ。

　因みに卒業後 関西の某大学に進んで唯一野球を続けていた日蓮クンに
言わせると‘GW中に合宿をして練習ばかりしたと言ったら他の連中から
笑われた。
GW中こそ多く試合をこなして実戦感覚を積まないといつするんですか’
だったらしい。

　やはり実戦に勝る練習なしと

　実感した合宿だった。