メイウェザーが欧米で賞賛されるのは格闘技の価値観の違いから

無傷47連勝!メイウェザー、左手を噛まれても防衛!/BOX(サンケイスポーツ) - goo ニュース

 昨日5月に手こずったマルコス・マイダナ相手にラフファイト
すら許さずに判定で完勝したフロイド・メイウェザーのスタイル
に、日本では賞賛はされるものの今ひとつカタルシスがないと
いう事で否定的に語るファンが かなりいる。

 個人的にも昨日の試合はメイウェザーの学習能力の高さから
マイダナに負ける姿は考えにくかったわけだし、勝つにしても
グダグダの展開に持ち込んで大差の判定勝ちだろうと予想した。

 メイウェザーのスタイルを物足りないと日本人が考えるのに
対し、欧米のファンは倒せなくても一発もパンチを貰わないと
いう事に着目し肯定的である。

 これは日本と欧米諸国では格闘技における価値観が違う事を
如実に表している。

 欧米ではレスリングがバックを取ったり押し出したりすると
1ポイントを加算し引っ繰り返したり投げたりすると2ポイント
以上が加算されていくなど細かいのに対し、日本発祥の柔道は
一本勝ちこそ最高の目的で有効や指導の累積で勝つのは恥ずか
しい事という価値観の違いだろう。

 日本の剣道が面・小手・胴・突きの4つの決まり手しかないのに
対し、フェンシングは剣道の倍以上のポイントがあり最終的に
加算されたポイント差で勝負が付くケースが多々ある。

 考えてみると日本では決闘で敗れた者は生き恥を晒す事になる
ので一思いに止めを刺すのが敗者に対する慈悲という考えなのに
対して、欧米では相手を戦闘不能に追い込んでギブアップさせる
という考えから柔道や剣道よりレスリングやフェンシングが細か
いポイントとなっているのだろう。

 だから一撃必殺の思想がある柔道や剣道の感覚でボクシングを
輸入した日本ではKO勝ちこそが最高の勝ち方という価値観だが、
欧米ではKO勝ちもポイントをピックアップしての判定勝ちも同じ
だから、KOするのに越した事はないものの倒せなくても徹底的に
パンチを外して一発も貰わないというメイウェザーのスタイルが
賞賛されるのだろう。

 もっとも本場の観客はメイウェザーのKOやストップ勝ちを そろ
そろ見たいとも思っているようだが、本人には未だにその気はない
ようだ。

コメント ( 4 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
グスマンの打たれ弱さ(^ー^)なるほど言われてみると解る気がします☆ (なにわのヒバゴン)
2014-09-16 00:23:00
あっそんな価値観?の違いがあるんですね。イメージとして欧米こそ豪快な倒すか倒されるかのボクシングに国民は魅了されるのではないのかと思いましたけど。。。ゆえに具志堅は勿論の事、関西では二郎氏より格下の赤井人気が高かったのにも納得です。川島敦志や鬼塚なども通(こーじさんのような)がファンからすると十分魅力が伝わるチャンプでしょうけど派手に?倒せないことから野球でいえばアベレージヒッターまたは技巧派投手の位置付けになってしまうのでしょうね。47連勝ですからメイ(名)ウェザーは言うまでもなく凄いチャンプ。打ち合っても、ディフェンスに重きを置いての勝利でも素直に勝者を称える国民性は大らかさがあり(アスリートに対しての)尊敬の念を抱く慣習が根付いているのだなと格調の高さ?を感じます。ゆえに日本人は総体的に一撃必殺(空手バカ一代の主題歌歌詞にありましたね)こそ真の格闘技チャンプなり!は長く不変なんですね。谷亮子や野村の一本勝ちのVTRをこれでもかとばかりにリプレーしていましたし。奥が深いテーマです☆
 
 
 
意外にも (こーじ)
2014-09-16 23:34:11
>なにわのヒバゴン様
 たしかにメキシコなどでは打ち合うタイプが好まれますが、ベネズエラやプエルトリコにドイツなどは倒せなくてもパンチを貰わないタイプの方が人気がありますね。

 特にドイツなどは合理主義者が多いですからサークリングシながらジャブで距離を取り、右のいいパンチが炸裂してグラつくものの追撃せずに同じパターンの繰り返しで終わってみれば120-118勝ちというのがポピュラーですね。

 ただ海老原博幸から始まって藤猛やロイヤル小林に上原康恒、浜田剛史や大橋秀行などハードパンチャータイプは多くて1度しか防衛してないというのが戦術的引き出しがないと防衛できないというのを表してますね。
 
 
 
倒す倒されに一喜一憂するボクシングファン(私)実は単なるミーハーなのかも☆ (なにわのヒバゴン)
2014-09-17 03:54:25
そうですね。人気を博した日本人世界チャンプも防衛一度に終始した事例は多いです。しかし奪取した試合にインパクトを残したため今も伝説的に語り継がれるのでしょうね。判定で戴冠&防衛のみならば日本国民の心にフィットしなかっただろうと。大差の判定勝ちでも十分に強く立派な王者だと私は思うんですけどね。大橋も体質なのか試合後は毎回顔面を腫らす‘激闘’が印象的。打ち合い上等!殴られたら殴り返すそんなスタイルが短命であれ今なお根強い人気を誇っているのかも知れません。クリンチの少ないスリリングなヒット&アウェイの連続は目が釘付けになりますね。あと大差でリードしている(感覚的に分かりますよね)王者が最終回あえて無理をせず判定でもOKという合理的?なファイトも稀に見掛けますが(相手は当然最後の一撃を狙って打ち合いを望む)実に残念ですし王者としてのプライドはないのか!と思わず溜め息を憑いてしまうんですよ。ガツーンと出会い頭を食らうリスクがあるとはいえ、最後まで受けて立つのが王者としての務めじゃないのかと。素人考えかも知れませんが。。。☆
 
 
 
90年3月の大逆転劇が引き金に (こーじ)
2014-09-17 22:46:24
>なにわのヒバゴン様
 90年3月に行われた当時92戦全勝のフリオ・セサール・チャベスがメルドリック・テーラー相手に11Rまでポイントで大幅にリードされながら、残り数秒で逆転TKO勝ちを
した試合が現在の流れへのターニングポイントでした。

 それまで距離を取ってチャベスを翻弄していたテーラーが最終Rも同じペースで戦い逆転KO負けを喫したので
大差でリードしている方が最終Rで逃げに転じないのは愚かだという理論が主流になったようです。

 これなど最後まで倒す事に拘る日本的な美学とは正反対の価値観ですよね。

 大橋の場合は強打者ゆえ距離を潰されるケースが多く
特に韓国選手相手の試合が結構あったので余計に頭から突進してくる相手と常に戦うため いつも目やデコの部分を腫らしていたようですね。

 ちなみに大橋の世界戦でのKO勝ちは90年2月に奪取した試合のみでして、それでも人気があったのはピンチで一歩も引かない姿勢でしょうね。
 
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