詳細に怪獣災害が描かれる平成ガメラ

 先月OAされた平成ガメラ3部作の中で特にガメラ3・イリス覚醒で
は、ガメラとイリスの戦い以外にインパクトが強かったのがガメラと
ギャオスハイパーによる渋谷での戦いだ。

 2匹のギャオスとガメラとの戦いは結果的にギャオスを倒したものの
壮絶な戦いで渋谷の街は壊滅状態になってしまう。

 ここで注目したいのは昭和の時代から怪獣同士が街で戦うと大惨事
となるものの、被害に遭った民衆の姿は描写されずじまいで視聴者は
怪獣同士の戦いを傍観者として見るだけだったのが、平成ガメラでは
詳細に怪獣被害を描いているので悲惨さが伝わってくる。

 当然ながらガメラが人類を守るために戦っても そのあおりで人類が
大損害を被るという皮肉な結果になり、ガメラ3などガメラとギャオス
の戦いで両親を失った少女・比良坂綾奈がガメラを恨む心からイリスが
成長してしまうという展開になっている。

 怪獣が暴れたりヒーローが怪獣と街中で戦うと当然ながらビルなど
建物が破壊されるのが当たり前で、一般市民も対応できないため被害を
被った者には怪獣だけでなく巨大ヒーローも恨む者が出てくる。

 そういえばウルトラマンメビウスの1話でディノゾールにメビウスが
勝ったものの怪獣の攻撃を避け続けたためビル街は壊滅してしまい、
リュウ隊員から痛烈に批判されるシーンがあった。

 これなど かつてのウルトラではなかった描写で、なるべく被害を
出さずに怪獣を倒さないといけないという足枷が付いたのだが これ
など平成ガメラの影響だろう。

 いい作品は後続作品に影響を残すといわれるが、そういう意味で
平成ガメラは怪獣被害を詳細に描いた最初の作品だろう。

コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )
« メイウェザー... 74年夏の甲子... »
 
コメント
 
 
 
怪獣が暴れる下には、沢山の人間がいる (柴田真紀)
2014-09-18 15:05:17
つい先日観た、ハリウッド版『GODZILLA』にも、このテの描写が、オムニバス的に出ていたのが、良かったです。主人公のみならず、バスの運転手のシーンとか。
なんとか、この危機を脱するぞ、という一人一人の心意気が感じられました。
まあ、こういうのは映画版でないと、予算や尺の都合で無理なんでしょうけどね。
TVだと、『ウルトラマンレオ』シルバーブルーメ襲来のシーンが、秀逸ですかね。ちょっとトラウマになりそうですが。
 
 
 
そうですね (こーじ)
2014-09-18 23:59:54
>柴田真紀様
 やはり予算や時間的にTVでは怪獣被害に遭った人達の
描写は難しいのでしょうね。

 シルバーブルーメ編はAパートだけでMACステーション壊滅と、百子さんやカオルちゃん達の最期が描かれてますから凄まじいEPでしたね。
 
コメントを投稿する
ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。