重友「区切りつけた」=地元岡山で引退会見―女子マラソン
5年前のロンドン五輪代表女子マラソン代表だった重友梨佐が、
来年3月で現役引退する事を発表した。
重友はロンドン五輪イヤーの12年大阪国際で優勝し五輪代表を
決めたものの、本番のロンドンでは6月下旬に足首を痛めた事から
20㌔手前から遅れて78位に終わった。
この時点で重友は25歳だったので これをいい経験としてリオで
雪辱して欲しいと思っていたのだが、15年北京&今年のロンドン世
界陸上では出場したものの成績が振るわずに引退という形になって
しまった。
実は特に最近の日本女子マラソンの失速の原因の1つに、若手の
伸び悩みがあると思っている。
女子マラソンが五輪の正式種目に採用された84ロスから昨年の
リオまでの9大会のうち連続出場したのは92バルセロナ&96アトラ
ンタの有森裕子と04アテネ&08北京の土佐礼子の2人で、特に若手
の選手達が五輪出場後に伸び悩む傾向が目立つし海外のランナーが
30歳を越えてからも活躍している事を考えると もったいない話だ。
例えば92大阪国際で日本新記録をマークして20歳でバルセロナに
出場した小鴨由水は以後はパッとしなかったし、99セビリア世界陸
上で2位に入り23歳で00シドニーに出場した市橋有里も故障に悩ま
されてフェードアウト。
04大阪国際で優勝し24歳でアテネに出場し7位に入賞した坂本直
子も度重なる故障に悩まされ、08年名古屋に初マラソンで優勝して
24歳で北京に出場した中村友梨香も13位に終わっただけでなく五輪
後にはスランプに陥りロンドンへの出場権を取れずに引退という形。
つまり20代前半で五輪に出場しメダルにこそ届かなかったものの
貴重な経験を積んだにも拘わらず、以後は故障などに悩まされ30歳
前後で引退というのが定番になっているのだ。
陸連もそこいらの対策を考えないと経験不足の若手とベテランの
メンバー構成なるわけで、経験が重要視される最近のマラソンでは
メダル奪回など夢のまた夢になるのではないかと思うのだ。