他力本願・リスク采配選択の西野監督「本意ではないが勝ち上がるための戦略」
日本時間の今日未明にボルコグラードで行われたサッカーW杯ロ
シア大会グループステージ最終戦で西野朗監督率いる日本代表は、
ポーランドに0-1で敗れたものの同時刻に行なわれていたコロンビ
ア-セネガル戦でコロンビアが1-0で勝ったため警告などのフェア
プレーポイント差で2位通過という事になった。
初戦でコロンビアに2-1で勝ち2試合目ではセネガルと2-2で
引き分け勝ち点4としていた日本は既に2敗し敗退が決まっている
ポーランドに負けなければグループステージ突破が決まるのだが、
会場のボルコグラードはキックオフの時間帯に30度を越える猛暑だ
けでなく中3日という事から前2試合から先発メンバー6人を入れ替
えて臨む事に。
ポーランドは2試合で5失点しておりDFに穴があると思われ暑
さも苦手そうだから、メンバーを入れ替えたリスクはあるが前半を
無失点で凌げれば地力でのグループステージ突破は確実と思われた。
ちなみに日本が負けた場合コロンビア-セネガル戦でセネガルが
勝てばOKだが引き分けなら敗退になるため、日本にしてみると先
に失点するとコロンビアとセネガルが互いに引き分け狙いに行く事
も考えられる。
前半は互いに慎重に戦っている中で武藤嘉紀らが決定的なシュー
トを放つ一方で、相手のシュートをGK川島永嗣が間一髪でセーブ
するなど0-0のまま前半を終了。
ところが後半開始早々に岡崎慎司がケガで交代したあたりからリ
ズムが狂い始め、59分にFKからヤン・ベドナレクに決められ絶対
に避けなければいけない先取点を許すと乾貴司を投入して同点を狙
うがリズムは戻らずに時間が進む。
そんな中で74分にコロンビアが先取点を奪ったため日本が2位
浮上という情報が入り、西野監督は長谷部誠を投入し試合のクロー
ズという選択をし場内のブーイングを浴びながらも残り時間を潰し
きりコロンビアが逃げ切った事から日本のグループステージ突破が
決まったのだった。
この日の西野監督は2つのギャンブルに勝った事になる。
1つ目は先発6人を入れ替えたため いい流れが変わるというリス
クを負ったのと、残り8分あたりから時間潰しに入った事で観客を
敵に回すだけでなく仮にセネガルが追い付けば日本の敗退となって
世間の物笑いになるというリスクまで負ったわけだ。
日本が所属したグループHでは実力的に日本は最弱なわけで勝ち
抜くには何らかのギャンブルは必要なのだから、西野監督はその
ギャンブルに勝ったからこそのグループステージ突破という事に
なる。