クリーンアップに‘つなぎ’のバッティングを強要するなかれ

 いささか旧聞になるが今シーズンのジャイアンツが8月8日のカープ
戦で1点差の9回に1アウト1・2塁で長野久義と阿部慎之助がカウント
0-3から見逃し三振と、チェックスイングによるアウトで敗れた試合
後に原辰徳監督は‘オレが決めてやろう’という気が無い‘とボヤいて
いた。

 確かに一打逆転サヨナラのチャンスで制球に苦しむ投手から真ん中の
ストレートを見逃し三振と、チェックスイングによるアウトというのは
見ているファンにしても最悪で原監督でなくてもボヤきたくなるのは分
かる。

 ただ野球中継を見ていると評論家と称する多くのプロOB達が‘チャン
スでは後ろの打者につなぐという意識が大事で、オレが決めてやろうと
いう気持ちではダメ’というコメントをよく耳にするし特にセ・リーグの
OBに多い。

 確かにつなぎの意識は大事ではあるが少なくともクリーンアップの
選手達はそれでは困るし、だからこそパ・リーグに負け越す要因の1
つになっているのではないか。

 今年の夏の甲子園を見ていて頼もしく思ったのは九州国際大付の4番・
山本武白志が3回戦の作新学院戦で2アウトランナーなしから先制HR
を打った時の‘HRを狙っていた’というコメント。

 実際に山本のHRで一気に流れが九国大付に行ったしHRの威力を
まざまざと実感したのだが、こういうチームが最近の甲子園の常連校
では増えている。

 余談ながら甲子園で20勝以上挙げた某監督が春の九州大会で1-3で
敗れた後の記者会見で最終回2アウト1塁でカウント3-0から後ろに
つなごうと考えて四球で出塁した4番に対し‘4番のオマエが2ランを
狙わないでどうする'と怒ったという話を横で聞いた事があった。

 つまり4番に求められるのはつなぐ意識よりも自分で決めるという
意識が大事という事で、本来ならプロの方に必要なのを高校野球の監
督から言われるのもおかしな話である。

 日本人選手の強打者が特にセ・リーグに生まれないというのはOB
達が声高に主張する‘たとえクリーンアップといえどもつなぐバッテ
ィングが大事'というコメントも影響していると思うのだ。

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