仮面ライダーOOOに登場した敵キャラであるグリードは‘人間の欲望を糧に
力を増大させる生命体’という設定でコアメダルを中心にセルメダルを取り込
んで体を形成するが、意識を内包したコアが破壊された場合にはその精神も
消滅して単なるメダルとなってしまう。
だからアンクロストから始まりカザリ・メズール・ガメルと次々にコアメダルを
破壊されてしまうと‘死’を迎えることではなく‘消滅’となるわけだ。
そんなワケで最初に右腕だけで復活し重傷を負った泉信吾に憑依したアンク
は最初に食べたアイスキャンディーを美味いと感じ現代の社会や技術に順応
するなど人間的な感覚を持っていたし、それ故に‘同属嫌悪’という形で他の
グリードを憎むようになっていた。
そして終盤には真木博士と組んで念願だった強い肉体を手に入れたものの、
グリードの宿命である‘満足できない’という感情に支配され始める。
最後は真木博士が変身した恐竜グリードとの対戦で映司に自らのコアを
与えてタジャドル・コンボに変身させて倒すのだが、恐竜グリードの消滅に巻き
込まれ自らのコアメダルが割れて消滅してしまう。
‘ただのモノでしかなかったグリードが死ぬところまで来られた、
こんな面白い満足できる事があるか’と満足感溢れる言葉を映司に告げ
ての消滅という事は真木博士が言うところの‘よき終わり’を迎える事ができた
のだった。
基本的に仮面ライダーはショッカーという組織の裏切り者。
という事はアンクはグリードの裏切り者という事になるし、アンクの復活から
物語が始まりグリードが絶対に得る事がなかった満足感に包まれた消滅という
‘死’を迎えるのだから、アンクこそOOOの真の主役だったと考えるのだ。