清水智信3度目の正直で世界を掴む、金子ジムに悲願の世界タイトル

清水、Sフライ級新王者に…判定でカサレス破る(読売新聞) - goo ニュース

 日本武道館で今日行われたWBA:Sフライ級タイトルマッチで挑戦者で7位の
清水智信が王者のウーゴ・カサレスに2-1ながら判定勝ちし3度目の挑戦で
遂に世界王者になると共に、所属している金子ジムとしても71年に日本Jライト
級王者だった岩田健二がベネズエラに乗り込んでアルフレッド・マルカノに挑戦
して失敗して以来40年目にして初の世界王者が誕生した事になる。

 試合は1Rからオーソドックスとサウスポーのスイッチを繰り返すカサレスに対
して清水のスピードに乗った左ジャブがカサレスを捉え右ストレートから左フック
の返しもヒットするなど前半を優位に進める。

 中盤からカサレスも反撃しパワフルなパンチを振るって右でボディからアッパー
を返して清水がピンチに陥る場面もあったが、終盤はカサレスのプレッシャーを
かわしながらジャブを的確にヒットし11Rにはカウンターをヒットさせてたじろが
せるなど打ち負けずに試合は進み判定に。

 残念ながらディレー中継で3Rから5Rまでがカットされるなどの赤坂TVの暴挙
で判定になったときの勝敗が分からなかったのだが‘OAされたラウンドを見れば
ギリギリで勝ちか?’と思っていたら115-113で清水が2人、114-115で
カサレスが1人の2-1で清水が新王者に輝いた。
 
 個人的には初めて生観戦した村田英治郎が同じ金子ジム所属で東洋バンタム
級タイトルを12度守りながら世界戦では2度も引き分けでタイトルを取れなかった
ため、岩田や村田の無念をようやく清水が晴らしてくれたと ある意味感無量で
ある。

 考えてみれば今から31年前に同じ日本武道館で村田英治郎がメキシコ人
王者のルペ・ピントールに挑戦し、今日の清水同様立ち上がりに攻勢をかけて
ペースを握ったものの中盤からピントールの反撃を許し足が止まった14Rに乱打
されたピンチを凌いで15Rに攻めまくり勝ったか?と思ったが引き分けでタイトル
奪取ならず。

 だから好調な滑り出しだったものの中盤から反撃を受けて押され始めた時は
31年前の悪夢がよぎったし、清水自身も3年前に内藤大助に挑戦して9Rまで
ポイントでリードしながら10Rに逆転KO負けを喫した事を思い出すのだった。

 それらのトラウマを払拭するような見事な戦い方で打ち勝ったのは本当に
価値があると言える。

 先代の会長・金子繁治氏も さぞかし嬉しい事だろう。

 清水戦の後に行われた‘ショー’さえなければ更に感激は増したのだが・・・・



 

コメント ( 10 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
感激度を薄ませるW世界タイトル戦も考えものですね。。。 (なにわのヒバゴン)
2011-09-01 01:20:04
仕事から遅く帰宅したのでテレビ観戦しなかったのですが、清水選手良かったですね。金子ジムは知る人ぞ知る名門ジムでまさに苦節40年。村田英次郎懐かしいです。チャンドラーとも名勝負がありましたよね。世界王者になれなかったとはいえ、東洋チャンプを12度も防衛は悲運と言うより超一流の名ボクサーの冠がふさわしいと思います。パンチパーマでいかにもコワモテの風貌でしたよね(観戦された際どうでしたか?)

ジャッジ判定は運・不運が時としてつきまといます。渡辺二郎の初挑戦とか六車の再挑戦など(いずれも大阪帝拳ですが)素人目からしても「何で防衛やねん~」と思いましたから。手数なのか有効打なのか永遠のテーマですね。清水は明らかに相手を圧倒したのでしょうけど、チャレンジャーは王者を一度はダウンさせる(悪くてもグラつかす)くらいでないと判定での勝ち目は薄いですね。中島成雄なんかはそんな展開でタイトル奪取した印象があります‥☆
 
 
 
やはり“左を制するものは世界を制す”が、また実証されましたね (吉法師)
2011-09-01 20:46:30
赤坂TVのアホなラウンドカットのせいで、試合全般を見られなかったのが残念ですが、清水は自分の利点である、「オンガード・ジャブジャブジャブ」よろしく左ジャブ連打~右ストレートの繋ぎを軸に、至近距離での打ち合いでの無用な被弾を極力避けて、終始自分の間合いを意識して戦った事と、ここ最近の試合で見せていた、強弱を交えた鋭い左ジャブを最後まで打ち続けた事が、今回の勝因だと思います。

手元に白井義男さんの現役当時の動画が少々ありますが、清水のボクシングは体格も含めて、白井さんのボクシングと似ているなあ、と感じます。現在は息子さんにジムを任せていますが、大会長、と通称される金子繁治さんが現役当時に見た、白井さんのイメージが受け継がれて来たものの結実、それが今回の世界王者・清水智信の誕生だったと言えるかも。
願わくば、伝統のフライ級で、と行きたかった所でしょうが、日本人キラー、カサレスを破り、ここ20年ほどはフライ級以上に日本人向きの階級となったS・フライ級での戴冠、以前にTVドラマにもゲスト出演した程のルックスの良さも見逃せないスター候補だと思います。

そのあとの“拳闘風寸劇”は、お粗末な余興って事で…
 
 
 
書き込み御礼&レス (こーじ)
2011-09-02 00:14:20
>なにわのヒバゴン様
 村田選手は意外に穏やかな感じでしたので、パンチパーマといってもロイヤル小林のような威圧感はなかったです。

 ご存知かもしれませんが今のボクシングはラウンドマストシステムで、必ず優劣を付けますのでダウンさせても残りのラウンドを取られたら負けになります。

 とかく日本人は前進すれば攻勢と思ってますが、本当は下がりながらでもパンチを出した方が攻勢と判断されます。
 
 だからジャブを打たないスタイルの名城などは不利を被るのですし、ジャブをヒットさせて動き回っていれば勝てるケースが多いです。

>吉法師様
 ホントにラウンドカットは腹が立ちますね。
 コチラの方がメインなのに・・・・

 井岡もそうですが、やはりジャブはボクシングの基本ですよね。
 それを無視する件の一家がなぜ勝てるのか理解に苦しむのですけど。

 なるほど白井義男~金子繁治と受け継がれていたの
ですね。

 カサレスに勝てるのは実力がある証拠ですね。
 
 
 
突貫小僧的なファイトはむしろマイナスなのかも (なにわのヒバゴン)
2011-09-02 01:31:52
なるほど。言われてみれば攻勢に写っていても上っ面だけのラッシュに終始したために判定負けというケースは多いですね。名城もそうですし、星野や晩期の井岡、辰吉も的確なパンチを当てられず判定に泣いた印象が私の中にはあります

“KO仕掛人”ロイヤル小林懐かしいですね。具志堅の前日に世界王者になったのもよく覚えています。連日のヒーロー誕生で日本国中が歓喜に包まれましたよね。私は小学3年でしたが、娯楽も限られた時代。。。野球に相撲にプロレス、ボクシングなど学校での話題はスポーツかテレビ番組でしたよね‥☆
 
 
 
打たない、のでは無く“打てない” (吉法師)
2011-09-02 10:28:52
>こーじ様
>井岡もそうですが、やはりジャブはボクシングの基本ですよね。
 それを無視する件の一家がなぜ勝てるのか理解に苦しむのですけど。

あの一家はジャブを打たない、のではなく“打てない、リターンでカウンターを貰うのが怖くて打てない”のが実情でしょう。とりわけ長男坊はその症状が酷い。だから“ノーモーションの左”なる単発パンチのみを何発か打った内のどれかが当たれば、的なやり方しか出来ない。
ポンサクレックがやって見せたように纏め打ちした後は距離を取るか、サイドに動く、をやられるともう何も出来なくなる。なんせ相手の動きの機先を制するジャブが無いんですから。今回の相手は纏め打ちした後の動きにキャリア不足(今まで対戦相手のレベルが低かった故か?)からか引き出しが乏しくて救われた感がありますが、到底“世界タイトルマッチ”としてお金を取って見せるようなレベルの試合ではなかった。ノンタイトル8回戦レベルでも、もっと高度な攻防のある試合は見られますからね。なぜアレで勝てるのか?そりゃあ赤坂TVですから、としか言えませんよね。

金子ジムの大会長こと金子繁治さんの現役時代は“小さなロッキー・マルシアノ”とあだ名される激闘型ブルファイターで、試合の面白さでは当時世界王者の白井義男さんを凌ぐほどの人気ボクサー。後の世界王者フラッシュ・エロルデに4戦して負け無し等など東洋無敵の強さでした。ただし、そのブルファイトもノンタイトルで対戦した、当時の世界フェザー級王者サンディ・サドラーの鋭いジャブを主体にしたボクシングには歯が立たず、激闘の代償故の眼疾で引退を余儀なくされた事もあり、育てた選手の多くはジャブを上手く使える、アウトボクサーやボクサーファイター型が多かった様に思います。村田英次郎もKO率は高かったですが、激闘型ではなく、相手をコントロールしながら切れとタイミングで倒すパターンが多かった。vsチャンドラーの3戦ともに、その村田がブルファイトをせざるを得なかった事が、勝てなかった最大の理由だと思います。ピントールとの再戦なら勝てる可能性はかなりあったと思っています。

試合後の検診で、眼窩底骨折が判明したと言う清水、ここは無理せずに休養して、階級アップに対応できるトレーニングを積んで戻って来て欲しい。井岡と共に赤坂TVのボクシングを、かつての姿に戻せる可能性を持ったスター候補なのだから。
 
 
 
書き込み御礼&レス (こーじ)
2011-09-03 00:10:10
>なにわのヒバゴン様
 そうなのですよ。
 普段アウトボクシングをしていたのに世界戦になると‘挑戦者のボクシング’として俄かファイターになるケースが見られますけど、ハッキリ言って逆効果以外の何物でもないですよ。

 ペースポイントがありのでジャッジには両者のスタイルがインプットされてますから、普段と違うスタイルで戦うとマイナスにしかなりません。

 ロイヤル小林は世界王者になった試合よりアルゲリョに挑戦した試合こそがベストバウトですし、彼のおかげでアルゲリョやWゴメス・Eペドロサを国内で見る事ができたわけですから 今では考えられない存在ですよね。

>吉法師様
 件の一家についてはおっしゃる通りですね。

 金子前会長はエロルデに負けなしでしたから、ある意味すごいボクサーですよね。
 今なら世界を取れて名王者として歴史に名を残していたでしょうね。

 村田英治郎はカウンターパンチャーでしたね。
 だからピントールとの再戦がなくなったのは痛恨でしたし、30年前のハリケーン照戦のピントールを見たら‘これなら勝てたのでは’と思ってしまいました。

 チャンドラーは会長が勝てなかったサドラーを髣髴させる黒人の長身ボクサーでしたからね。
 師弟揃って同じタイプに負けた形ですね。

 清水も井岡同様 件の一家とは袂を分かって欲しいですよ。
 せっかくのスタイリッシュなボクシングが汚れますから。
 
 
 
ウィキペディアでロイヤル小林を調べました。感動した~!! (なにわのヒバゴン)
2011-09-03 03:26:55
いや~こーじさん、お詳しいですね。R・小林について仰っておられることをウィキにも書いてありましたよ。私は世代的に彼の世界タイトル獲得がギリギリで、それ以前のバウトが見れなかったのが本当に残念でならないのです。正々堂々なんてのは夢物語にしか過ぎないよ。。。まさにプロ魂ここにありで、九州男児の姿そのままのボクサーだったのですね

ボクサーは体質によって蜂の巣の如く顔を腫らしやすい選手も多いのでしょうが、六車や大橋もラッシュして相手をロープに詰めているようであって実は細かいパンチ(ジャブ?)をもらっていたのでしょうね。それが有効打でポイントになっているのなら88年六車のドローも納得です。具志堅はリオスとの再戦で瞼を大きく腫らしましたがどうにか死闘を制しましたね‥☆
 
 
 
奇しくも (こーじ)
2011-09-04 00:28:48
>なにわのヒバゴン様
 実は奇しくも今年がロイヤル小林引退から30年目なのです。

 世界奪取から46日後に韓国で防衛戦を行って僅差の判定で敗れて世界タイトルを失ったのは有名ですが、
自ら持っていた東洋タイトルも韓国で失っての引退だったのです。

 ちょうど12月に世界戦が決まりかけたのがドタキャンされた影響があったようですね。

 具志堅の場合はガードが低いのにボディから攻撃を
組み立てるので必然的に顔面を腫らすハメになってましたね。

 とはいえリオスにはボディ攻撃を徹底したからこそ
攻略できたわけで、その代償としての あの瞼になりました。
 
 
 
ちょっと古い話題 (前田憲市)
2011-09-14 05:46:07
ですが一言だけ。この時の亀田戦の視聴率が16%と結構高かったのには驚きです。勿論私はこんな茶番劇は観てないけど亀田の事をああだこうだけなしている割りには結局チャンネルを合わせいる輩が未だにかなり多いのですね。ホントにお粗末な視聴者だと思います。
 
 
 
それについては (こーじ)
2011-09-14 22:37:26
>前田憲市様
 いらっしゃいませ、初めまして。
 
 実は亀田の試合の視聴者は亀田の負けっぷりを見たいと思っている方が多そうですよ。

 個人的には‘亀田の試合は川口浩探検隊’という
ネタで扱ってますよ。
http://blog.goo.ne.jp/ue-kj/e/0e860104ecf462e3f9808ed8f04cb031
 
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