称賛を無視する者が光を、求め過ぎる者が闇に墜るネクサスの世界

 ウルトラマンネクサスに登場する闇の巨人・ダークメフィストに
変身する溝呂木眞也は、孤門をいたぶるだけでなくウルトラマンに
変身する姫矢准にも心理的な攻撃をかけてきた。

 夜の森の中で対峙しブラストショットとダークエボルバーから
発射される真空衝撃波動弾の撃ち合いになるのだが、その最中に
溝呂木は姫矢にテレパシーで‘誰からも賞賛されず、ボロボロに
なって戦い続けても空しいだけだと’と語りかけるのだ。

 考えてみればナイトレーダーは秘密組織のため他のウルトラに
登場する防衛組織とは違って、全く存在を知られてないため溝呂
木が語るように活躍しても称賛される事はない。

 ナイトレーダーが そういう体質だからか和倉隊長や凪副隊長
などストイックなイメージの隊員が多く、逆に言えば溝呂木は最
も欲が深そうな俗物的なキャラだからナイトレーダーの現状には
満足できずに暗黒適応者にならなくても結果的にナイトレーダー
を離れていたのではないかと思ってしまう。

 一方の姫矢は かつて称賛されたからこそ苦しんで、死に場所を
探すような人生を送っている事から溝呂木の問いかけに動じない
ばかりか‘自分が得た光の意味を探し続けているだけ’という
考えなのだ。

 つまりウルトラマンの力は使い方によって神にも悪魔にもなる
わけでストイックに光の意味を追求しようとする姫矢が光の巨人
になったのに対し、称賛されたくてたまらない欲望にまみれた
溝呂木が闇の巨人になったというのも当然かもしれない。

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