今日BSプレミアムでブレードランナーのファイナルカット版が
OAされていたので久しぶりに見る事ができた。
ブレードランナーといえば高校を卒業した82年に公開されて話
題になっていたのだが残念ながら行く機会を逸していたので、今か
ら30年前に映画好きの友人と一緒にレンタルして見たのだった。
この友人は81年暮れに当時話題になっていたキャノンボールより
レイダース・失われたアークの方が面白いと主張していた映画通で、
主役がハン・ソロやインディ・ジョーンズを演じたハリソン・フォー
ドで監督がエイリアンのリドリー・スコット、音楽が炎のランナー
のヴァンゲリスと有名どころだから友人も満足するだろうと思った
のだ。
実際に日本公開時のキャッチコピーは‘レプリカント軍団、人類
に宣戦布告’といったSFアクション的なものだったし作品の概要も
人造人間のレプリカントが反乱を起こし、それを取り締まるのが
先任捜査官ブレードランナーという事だったのでハリソン・フォー
ド演じるデッカードが新造人間キャシャーンのような存在でレプリ
カント達と壮絶な戦いを繰り広げるのだろうと想像していた。
ところが実際に映画を見ると2019年の地球は環境汚染されている
という設定で雨やスモークがかかったような陰鬱なムードで、主役
のデッカードも決して強くないため全く爽快感がなく一緒に見てい
た友人も`暗い映画やなぁ’とブツブツ言いながら見ていたのを思
い出す。
結局リドリー・スコットのエイリアンを髣髴させる陰影のある映像
やヴァンゲリスの音楽が印象に残っただけのような印象のみが残った
のだが、2年後に東京で深夜OAされたのを見た後にBSやWOWOWなど
で何度も見ていると徐々に面白味が分かってきた。
特にルドガー・ハウアー演じるレプリリカントのボス=ロイ・バ
ッティとの最後の戦いでレプリカントの哀しみが描かれているなど、
スター・ウォーズなどのSF作品とは一味違う内容だったわけで一緒
に見ていた長男もロスの荒廃したシーンを見て‘スター・ウォーズ
EP2のコルサントの下層界に似ている'と言うなど後の作品にも影響
を与えているのが分かる。
今回久しぶりに見たのだが、とても35年前に製作されたとは思え
ない出来栄えに改めて感心したのだった。