‘エイプリルフールの悪夢’花形進まさかの王座陥落から40年

 今から40年前の今日75年4月1日に富山で行われたWBAフライ級
タイトルマッチで王者の花形進は挑戦者のエルビト・サラバリアを
攻めまくりながら、逆地元判定とも思える判定負けし初防衛に失敗
した。

 両者は4年前にマニラで逆の立場で対戦しサラバリアのジャブを
中心にしたアウトボクシングの前に接近を阻まれ、14Rにグラつか
せたものの大差の判定負けしただけでなく終盤には衛星の不具合で
中継が中断するというオマケ付きだった。

 花形はサラバリア戦を含めキャリア11年5回目の挑戦でようやく
タイトルを奪取して迎えた初防衛戦で、今回はホームでの試合という
事もあり王者断然有利という予想だった。

 実際に試合が始まると4年前とは違いサラバリアのジャブをかい
くぐって接近戦に持ち込み、特に6Rには左右フックをヒットする
など優勢に試合を進めただけでなくサラバリアは7Rと11Rにロー
ブローで2度の減点をされていたため判定になったものの初防衛は
確実というムードだった。

 解説の海老原博幸も花形の快勝と語っていたのだが、判定は意外
にもサラバリアに上がり観客が騒いで暴動寸前になり警官隊までが
出動する事に。

 思えば4年前の4月1日に当時WBAフライ級王者だった花形の
ライバル・大場政夫は、ベツリオ・ゴンサレス相手の初防衛戦で苦戦の
末に僅差の判定勝ちだっただけに明暗が別れた形だ。

 余談ながら この試合はTV東京系の中継だったため当時 地元では
0:00からの録画中継で眠い目をこすりながら見ていたのだが、意外な
判定負けに目が覚めただけでなく判定への怒りで寝付けなかったのを
思い出す。

 当然ながら両者は半年後に再戦したもののカウンターを浴び続け
2-1ながら完敗し、返り咲く事なく花形はキャリアを終える事に
なったのだ。

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