ヘアサロンうつのみや・オーナーのスポーツやヒーローもの、雑談ネタを徒然なるままに
こーじ苑
BSプレミアム版・八つ墓村は
12日夜にBSプレミアムで吉岡秀隆が金田一耕助を演じた八つ墓
村がOAされていた。
以前から記しているように八つ墓村は登場人物が多い事や広範囲
にわたる鍾乳洞内の描写が多い事から、映像化されると原作とは世
界観が違ってしまうわけで凄く難しいのだが今回は鍾乳洞内の描写
を割愛しているものの私が見た中で最も原作のイメージに近かった
のではないかと思う。
というのも他の作品では原作のヒロインである里村典子が登場せ
ずに犯人の森美也子と恋仲になってしまうケースが多く、最後に正
体がバレた美也子が辰弥を襲撃するというのがパターンを否定して
いるのがよかった。
また辰弥の実の父・亀井陽一が僧侶の英泉になっていて最後に自
らの正体を辰弥に明かすというのも他の作品にない設定で、スッキ
リするものだった。
正直言ってあれだけ長くスケールの大きな物語だから忠実な映像
化は難しく78年の横溝正史シリーズで1時間番組を5回にわたって
映像化したのが消化不良だったのを考えると、2時間ドラマでは期
待しづらいのだが今回は落武者と多治見要蔵による32人の虐殺シ
ーンはスケールが小さいとはいえしっかり映像化されていたので
映像化の定義は守られていた。
32人の虐殺シーンは77年の山崎努版を越えるのは事実上不可能
だと思うので期待してないし、それよりも他のシーンを厚くして欲
しいと思う面もあるのだ。
終わりよければ全てよしという言葉があるが、やはり最後は辰弥
とヒロインの典子が結婚する形で終わるという原作の流れを守って
もらえたのは嬉しいものがある。
キャスティング的に辰弥の村上虹郎は悪くないし美也子の妖艶さ
を真木よう子が上手く演じていた一方で、どうも吉岡秀隆の金田一
耕助は前回の悪魔が来りて笛を吹くから見ているが袴を穿いたDr、
コトーという雰囲気が拭えない。
もっとも吉岡秀隆にとって八つ墓村は77年版で萩原健一演じる
寺田辰弥の子供時代を演じたのが映画デビューにあたるのだから、
氏にとっても感慨深いものがあるのではと思ったしラストで磯川
警部から亀の湯での湯治を勧められるのは悪魔の手毬唄への伏線
なのかと思ったりもする。
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今回のドラマは『このご時世に祟りなんてバッカバカしい!』という考えが根底にあって『祟りの伝説を利用しようとしたドロドロの愛憎劇』に仕上がっているところが、新しい解釈で良かったのでした。
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濃茶の尼が叫ぶお馴染みの『タタリじゃー!』という台詞も、明るい日中に聞くと全っ然怖くナイ。完全に『何だ!?この気〇い婆ァ!』ってカンジで、もはや風景に溶け込んでます。
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見どころはもちろん『前半のヤマ場となる津山事件をどう演じてくれるのか?』ですが、今回はロングのショットを最後に使って淡々と描写していきます。『長閑な田舎の風景の中に乾いた銃声が響く』というカンジで『あっ!よく見ると事件あったンだ!』というくらいのイメージ。『人間の営みは自然の中ではごく些細なことである』と強く印象づける演出でした。
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後半の鍾乳洞のシーンは今回『祟りを怖れた村人たちがリンチに掛けようと主人公を追う』ことに重点を置き、結局は『祟りにおびえた村人たちの妄動』に終始させています。
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犯人は洞窟の中で亡くなるのではなく、収容された病院で亡くなりますが、これにもちゃんとした『伝説の科学的な解釈』が持ち込まれて、あくまで明るい理性の光に照らされて事件は解決し、最後に國村隼がつぶやく『なぜ人は愛を求めるんですかね』という台詞が心に残ります。
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これは現代に即した新しい『八つ墓村』の成立です!
正しくその通りですね。
昭和から平成の八つ墓村の不満がある点の多くが快勝されてますね。
鍾乳洞探検の描写は仕方ないでしょう。