箱根駅伝の光と影

 昨日終わった箱根駅伝は順天堂大学が総合優勝を果たした。
 毎年2日、3日の午前中から13:00過ぎまで行われるTV中継を
ついつい見てしまう。
 毎年高視聴率をあげる駅伝中継のいい所は、くだらないタレ
ントのゲスト出演を一切排し関係者のみで進められるので純粋
に楽しめる。しかもお涙ちょうだいのような人間ドラマも必要
最小限に抑えられているので嬉しい限り。
 昨今スポーツ中継で視聴率が低い番組に限って前フリが異常
に長く妙な賑やかしどころのタレントを導入してくだらない人
間ドラマを入れるケースが多い。やはり正統派のスポーツ中継
はこうあるべきと思う。
 各大学の名誉とプライドをかけた鬼気迫る走りは見ていても
ついつい引き込まれるし、目の前で繰り上げスタートになると
いうシーンなど無情なシーンやブレーキを起したランナーが何
とか襷をつなごうと必死に頑張る姿もよく見る。
 そして優勝争いだけでなく10位以内に与えられるシード権争
いが優勝が決まった後もしっかり繰り広げられるので、天国と
地獄をかけた最後の争いも更に面白い。
 ただし箱根が加熱すればするほど駅伝がメジャーになりすぎ
て肝心のマラソン強化につながらないという弊害が出て来ている。
 というのがかつては瀬古利彦や谷口浩美らの名ランナーが走
って名を上げていたが、今では藤田敦史や三代直樹ら箱根から
育ったランナーはいるが活躍しているランナーはむしろ減っている。
 例えば90年代前半に早稲田で大活躍した渡辺康幸に代表される
ランナー達が意外に伸び悩み怪我などに泣かされ大成せずに終わ
るケースが増えてきた。
 実は昨今のマラソンはスピード化が進み1万mを4本走るような
レースが多い、これは賞金レースが主流になったため平坦なコー
スでのレースが増えたのが影響している。
 かつては‘駅伝を走るのはマラソン練習になる’と言われてい
た。アップダウンの激しいロードレースである駅伝はマラソンの
短縮版でマラソンのスピード練習に最適だったのだ。
 ところが前記したようにフラットな平坦なコースが主流になった
マラソンでは5千mや1万mから転向したトラック上がりのランナー
の方が駆け引きや揺さぶりを得意としているので強いのだ。
 マラソンの強化のためには駅伝よりトラック練習が大事になって
いるにも拘わらず大学や実業団では学校や企業の名を売り込める駅
伝には力を入れても、国内では今一つマイナーなトラックレースは
敬遠される傾向が強い。
 つまり駅伝に力を入れるという現状に箱根の人気が拍車をかけて
いるのだ。特に山登りや山下りのスペシャリストが必要な箱根では
マラソンより駅伝という論理が見え隠れする。
 私の理想でいえばオリンピックなどで優勝を狙える選手はもはや
駅伝は必要ない、駅伝練習するならトラックの練習をするべきだろ
う。駅伝は国際レベルに達しないクラスのカテゴリーでやるべきだ
と思うのだ。
 ちょうど夏の甲子園の優勝投手のほとんどがプロではイマイチに
なっている状況のように。
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