07夏の甲子園・第14日

 今日の結果

1:広陵4-3常葉菊川
 1回に広陵は2アウトから3番のHRで先制してペースをつかみ
2回には送りバントの処理ミスで2-0と主導権を握る。
 4回には1アウトから連打で1,3塁としてヒット性のゴロを
ニ遊間に処理されるが併殺崩れで3-0。
 菊川は、2回と4回に4番の相馬と6番の酒井の連打で1,3塁と
攻め立てるが、昨日HRを放った石岡が倒れて無得点が続く。
 広陵も5回、6回と併殺でチャンスを潰していたので、流れが
変る恐れがあったが8回に1アウト3塁からスクイズで4点目を
取った。これが効いた。
 その裏に菊川は1アウト2塁から3番のタイムリーで1点を返し
9回には2アウトランナー無しから3連打で2点を返して4-3と
する。しかし菊川の反撃もここまでだった。
 
 先日の日南学園戦では3-0から4点目を許さなかった菊川が
8回に4点目を失い、それが致命傷になった。
 しかも1回に2アウトランナー無しで出た土生の先制HRで、流
れが広陵に来た感じがする。
 巷では2回と4回に‘当たってない5番にバントをさせておけ
ば’などという声を聞いたが、バントをしない菊川スタイルで
は意味のない事。
 春の熊工戦同様1,3塁のピンチの場面で前進守備を敷かずに、
中間守備を敷いて併殺を取りに行ったのはさすがだと思った。
 1回目はトスが高くなって併殺崩れで3点目を失ったが、2回
目はしっかり併殺を取ったのだ。いずれも前進守備を敷いて
いたら間を抜けてタイムリーになっていただろう。
 広陵を上回る12安打を放った打線は本物だった。

2:佐賀北3-0長崎日大
 2回に佐賀はエラーで出たランナーをヒットでつないで1,3
塁として馬場がスクイズを成功させ先制する。
 4回には2ベース、バントで1アウト3塁から暴投で追加点を
挙げ、7回には先頭打者が歩くとすかさず盗塁しバントで1アウ
ト3塁から浅めのレフトフライで代走の3塁ランナーが還って
勝負を決めた。
 長崎打線は7回まで先発の馬場からヒット3本に抑えられ、
キャッチャーからのピックオフプレーでノーアウトのランナー
が刺されるなど拙攻が目立った。
 8回から満を持して久保が登板。
 久保は1イニングに1本づつのヒットを許すが、併殺などで切り
抜け開幕戦の福井商戦に続く完封リレーとなった。

 本来実力では上の長崎が、佐賀の勢いに飲まれたとしか思えな
い展開だった。
 残念ながら長崎の浦口も疲労の色が濃いかったので、3点は取ら
れるだろうと思っていたが、それなりに踏ん張った。
 だが打線が先発の馬場をまともに打てず、甲子園自己最長の7
イニングを投げさせるハメになった。

 明日のファイナルは、実力的に断然広陵だ。
 ただ佐賀の勢いは今日を見ても、ただ事ではない。
 特に左の先発の馬場が自信を持ったため、投げるイニングが増え
ている。
 上位に左が4人いる広陵打線を馬場がどこまで抑えられるか?
 帝京戦で120球を投げた久保が今日は2イニングしか投げなかった
のは、佐賀にとっては大きい。
 広陵の野村は140球を投げているのと対照的だ。
 
 巷でよく言われるのが、94年の佐賀商の再現。
 確かに94年の佐賀商は開幕戦で勝って勢いに乗り優勝したが、
佐賀北も開幕戦を勝ってからの事だった。
 面白いのが、67年に広陵がファイナルで戦って敗れた相手が開幕
戦で勝って勢いに乗っていた習志野だった事も因縁があるというか
興味深い話。
 なおここ20年のデータでは1塁側のチームは5勝15敗。
 先攻チームの9勝11敗である。
 しかも歴史的ジンクスとして40年ごとに広陵は夏の大会でファイ
ナルに進出しているが、いずれも準優勝。
 3度目の正直どころか、2度ある事は3度あるという諺があるように
同じ目に遭ったのが96年の熊本工だ。
 ‘春の王者・広陵は夏に優勝できない’というジンクスに広陵は
挑む。
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コメント
 
 
 
広陵ー佐賀の決勝戦 (さくらい)
2007-08-22 10:39:07
野村がよく凌ぎましたね。打線も小刻みに
4点を挙げ、逃げ切りました。常葉菊川も
力のあるところは充分に発揮。8回に2塁ランナー
の3塁でのアウトが痛かったか。
佐賀はまさに勢いに乗っていますね。二人で完封。
力以上の何かが。勿論広陵の地力が上ですが
面白い決勝戦になるか。
 
 
 
佐賀北、優勝 (さくらい)
2007-08-22 15:48:24
1%の確率が現実に。まさにミラクルでした。
7回終了で、0-4、全く打てる気がしませんでした。まさか満塁ホームランがでるとは。その前の押し出しの球はストライク?に見えたが。今大会はまさに佐賀北の大会でしたね。延長再試合、帝京との死闘、今日の逆転満塁本塁打と神がかり以上のものが。
大会前、特待生問題がありましたが、優勝したのが県立の高校とは皮肉な?結果に終わりました。
毎日、甲子園情報有難うございました。
 
 
 
サプライズです (こーじ)
2007-08-22 23:14:06
>さくらい様
 ワンサイドと思われた内容が、たった1イニングだけで
ここまで流れが変るのが高校野球の醍醐味でしょう。
 佐賀北にとって神がかり的な快進撃でしたが、かつての
佐賀商のようにこれで運を使い果たしたという事のないように願いたいですね。
 
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