ロンドン五輪競技7日目:プロ化の成功者と失敗者の明暗

なでしこ大儀見・大野決めた!ブラジル破り4強(読売新聞) - goo ニュース

 今日の見どころは男子柔道と女子サッカー。

 今や五輪は最高レベルを求めるプロでなければ勝てない大会へと変貌して
いるのだが、全く対処できずに最終日を迎えた時点で未だ金メダル0の男子
柔道が最重量級を制して一矢報いる事ができるか。


 一方選手達のコンディションを考慮して移動を避けて戦おうとした事が無思慮
なマスゴミから批判され、思わぬ逆風を受けた なでしこジャパンが2大会連続
銀メダルのブラジル相手に負けたら敗退のQファイナルに臨む。


 競泳は大会の〆である男女メドレーリレーの予選が行われるし、今日からは
陸上も始まる。


 男子柔道はテディ・リネールに勝って10年世界選手権無差別級王者になった
事がある上川大樹が登場。


 前記した世界選手権後は精彩を欠く上川はシードから外れているのだが
初戦が楽な相手だったので払い腰での一本勝ちにホッとしたのも束の間、
2回戦でベラルーシのマカラウ
相手に攻めあぐね一瞬の隙を突かれて袈裟固め
に抑え込まれる。


 前日の穴井の悪夢を髣髴させる展開だったが辛うじて技ありになる1秒前の
19秒で脱出して有効で済んだし直前に互いに指導を貰っていたので なりふり
構わず攻めまくって指導を奪えば追い付けたにも拘らず煮えきれない攻めで
時間だけを空費して敗退。


 一方の女子78㌔超級は得意技に拘らずに勝ちに徹するスタイルの杉本美香
が2試合連続で一本勝ちしSファイナルでもベテランのブライアントに優勢勝ち
してファイナル進出。


 ここで佟文に勝ったキューバのオルティス相手に延長旗判定で敗れたが実力を
出せたと思うのに対し、男子は得意技に拘るあまり それを封じられて攻め手が
なく力を出し切れずに消化不良の展開で敗れているのには失望する。


 競泳は男女メドレーリレー予選が行われ寺川・鈴木・加藤・上田とメダリスト
2人を擁する女子が全体2位、入江・北島・松田・藤井とメダリスト3人を擁する
男子も全体3位でファイナル進出を決めた。


 陸上は男子ハンマー投げ予選で昨年の世界陸上王者で2度目の金メダル獲得
を目指す室伏広治は1投目に予選通過ライン手前に投げた後、2投目に78m
越えでファイナル進出を決めた。


 トラックでは男子400mハードルはエースの岸本鷹幸が肉離れの影響で失格
したのでつまづき全員予選落ちし、女子100m予選でも福島千里が8着で予選
落ち。


 一方の長距離では女子1万mで新谷が9位に入る健闘を見せた。

 女子バレーは予選リーグの3試合目でロシア戦。

 これに勝てば予選リーグ2位以内が確定するのだが第1セットをデュースの末に
失うと2セット目も落とし、第3セットは取ったものの第4セットを失いイタリア戦と
同じパターンで2敗目を喫した。


 とりあえず決勝トーナメント進出は可能だけどベスト8で奇跡でも起きない限り
勝ち抜きは厳しそうだ。


 男子アーチェリー個人戦で日本の古川高晴が3回戦でノルウェー、ベスト8で
マレーシア選手に勝ちSファイナルではオランダの
選手をシュートアウトで振り
切りファイナル進出をしたが韓国の呉真爀に敗れて銀メダル。


 女子サッカーはグループステージ最終戦でコンディションを整えるためメンバ
ーを落として2位通過を狙った事が思わぬ波紋を呼び、ここで敗れるとメダル
獲得失敗になるだけでなく‘2位狙い非難’で国賊級のバッシングを受ける必要
以上のプレッシャーを受ける事になったQファイナル。


 いきなり大野が打ったシュートをブラジルのGKが弾き出した後は20分までは
ボールを6割以上支配されてCKも立て続けに受けピンチの連続を凌ぐと、その
後は徐々に日本のパスが通り始めてリズムを取り戻し27分に沢の素早い
リスタートに大儀見がドリブルで抜け出してシュートを決め待望の先取点。


 後半に入ると60分頃から再びブラジルの一方的なペースになり日本は足が
止まった感じで15分にわたって攻め込まれたのだが何とか凌ぐと73分にカウ
ンターから大野が決めて決定的な2点目を挙げてブラジルを突き放し そのまま
タイムアップ。


 後半の半ばまでを通じて選手達は最後まで豊富な運動量で足が止まらずに
走り続ける事ができたのも、最大の山場であるベスト8にピークを合わせて
臨むために沢らを休養させたのが効いていると思う。


‘無気力試合では’などという非難をも気にせず勝つために あらゆる手を使って
臨んだ なでしこと、精神論のみで武装して歴史的な惨敗を喫した男子柔道の
明暗が見事に分かれた1日だった。

コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
プロ解禁から24年経っても・・・ (ただのスポーツ好き)
2012-08-05 11:00:19
1988年のソウル五輪から大会が「プロ解禁」になっても、日本のほとんどの競技団体のトップの頭の中は「アマチュア」のままでいることがどうやら心地よいようです。日本の競技団体の中でプロ化の流れに対応できたのは、解禁当時は出場すらできず低迷していた男子サッカーなどの少数にとどまっています。
競技団体のトップと指導者のプロ化への対応がなければ、柔道のような悲惨な結果しか残らないことを日本の競技団体は肝に銘じるべきでしょう。
 
 
 
そこですね (こーじ)
2012-08-06 22:02:27
>ただのスポーツ好き様
 日本はアマの美徳を修行スポーツと結びつけてますから、かなり厄介な問題になります。

 特にスポーツを‘道’に高めるなどとマスゴミも好意的な反応を示すのでタチが悪いですよね。

 ちなみにボクシングはソウルの後にプロを毛嫌いして鎖国状態で引きこもってましたけど、案の定レベルダウンが著しく北京の後ぐらいからプロと共闘し始めて44年ぶりのメダル奪回に結び付けましたからね。
 
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