トイレでドッキリ!

 蒲田時代の本店は店舗兼師匠の自宅だった。
 美容の入り口の隣が自宅の玄関で、上がってすぐに着替え用のロッカーや
洗面所があって更に奥に普段は使わない風呂になっている。

 私は大半が本店務めだったので営業開始前に ここのロッカーでユニフォ
ームに着替えるのだ。
 ちなみに風呂の右手に問題のトイレがあった。

 このトイレは両側にドアがあり、店の方からと風呂からと両方から入る
ことができるのだ。
 当然のように お客さんも使うので営業が始まるとスタッフがトイレを使う
場合は玄関にまわって風呂のスリッパを履いてトイレに入る。
 この時に絶対に忘れていけないのが施錠、つまり店側と風呂側のドアを
ロックしないといけない。

 とある日の朝、掃除中にお通じをもよおした私は玄関からまわるのも
もどかしく店側のドアからトイレに入った。
 当然ながら両側のドアをロックして用を足し始めたのだが・・・・

 突然 風呂側のドアが何故かガチャリと開いて後輩の神無月
クンが入ってきたのだ!

 ‘う、うわぁ~!’

と神無月クンは悲鳴を上げて逃げ出した。

 やがてトイレから出た私に神無月クンは

‘あ~恐ろしかった!ちゃんとロックして下さいよ、開けちゃった
じゃないですか’
と抗議する。 

 確かに1分1秒を争う状況だったので店から入ったため風呂のスリッパが
あって、電気も点けてなかったので神無月クンは当然誰も入ってないと
思っていたしドアノブをひねると簡単に開いたとの事。

 不幸中の幸いで電気を点けてなかったし、元来コンタクトを入れている
神無月クンは朝の営業開始前だったためコンタクトを入れてなかった
ので私のあらわな姿をハッキリ見ずに済んだというのだ。

 心当たりがあるのが実は この頃 風呂側のドアノブがバカになっていて、
ロックしてもガチャガチャ動かすとロックが外れる可能性が あった。

 そういえば私がトイレに入ってすぐにロックしているのを確認するために
ドアノブを何度か捻っていた。
 それが裏目に出てロックが外れたのかもしれない。

 まったく人騒がせなトイレだったが、私が蒲田の店を辞めて帰省して2年
後の91年8月に本店は取り壊され立て直されたので今は こういうトラブルは
ないだろう。

 それにしても、神無月クンも驚いたろうが、私も腰を抜かさんばかりに驚い
たものだった。

 お互いにトラウマになりかねない事件で、

今でも忘れられない。

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
« 世界陸上・や... ウルトラマン... »
 
コメント
 
コメントはありません。
コメントを投稿する
ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。