‘お家芸’復活の嬉しさよ!

米満が男子レスリング24年ぶり「金」(読売新聞) - goo ニュース

 ロンドン五輪最終日に行われた男子レスリング・フリースタイル66㌔級で10
アジア大会優勝者で昨年の世界選手権2位・米満達弘が金メダルを獲得し、
88
ソウル五輪以来24年ぶりの金メダル奪回となった。

 思えば今回の五輪はボクシングの48年ぶりの金メダルや女子バレー28年
ぶり
の銅メダルなど長いブランクを経て結果を出した種目が目立った。

 かつての‘お家芸’と呼ばれた種目が復活するのは嬉しい事だ。

 日本でメダルを量産する‘お家芸’といえば体操・柔道・レスリングに競泳ら
で、これらの種目で日本は多くの日の丸を挙げてきていた。

 ところが昨今は あらゆる種目の地盤沈下で日本発祥の柔道ですら無能な
指導
者が率いると今回の五輪のように金が1個も取れなくなるのが現状だ。

 4年前に女子レスリングがアテネに続いて金2・銀1・銅1という出場した全員が
メダルを獲得したため現・東京都知事は‘女子は頑張ったが、男子は何をして
いる
のか」とボヤいていた。

 確かに女子の成績は前記したものに対し男子の獲得メダルは銀1と銅1の
2個に
過ぎないし、出場した階級もフリーとグレコそれぞれ3人づつになっていた。

 そういう背景から都知事は件の発言をしたのだろうがハッキリ言って世界の
レスリング事情を知らな過ぎる。

 以前のレスリングは各国から1階級に1人づつ出場できたのだがシドニー五輪
から出場枠が20カ国に制限されたのだから出場するだけでも大変な事になった。

 なにせレスリング大国のイランを含めアジアの各国ではレスリングに力を入れて
いるのに、旧ソ連の崩壊でウズベキスタンやカザフスタンなど中央アジアの国々
アジア枠に入ってきたのだからたまらない。

 更に階級も以前は11階級あったのがシドニー五輪あたりから現行の7階級に
減った
ため日本が得意な軽量級が以前は48㌔級や52㌔級が廃止され55㌔級
のみになるなど
逆風続き。

 一方の女子レスリングは世界に先駆けて30年ほど前から強化に力を入れて
いる
アドバンテージがあるし、アジアでは中東など宗教的な問題から女性を出場
させ
ない傾向が強い。

 件の発言をした都知事をはじめ一般人もレスリングなど五輪の時しか興味を
持た
ないので意外に知らてない。

 つまりレスリングの地盤沈下は今回の柔道のような不作為ではなく世界の
事情が
日本にとって一気に激変するような要因が潜んでいたのだから それを
克服する
ために苦労していたのだが、07年にできたトレセンなどのインフラの
おかげで 幾らか
マシな状況になってきたので ようやく復活のノロシを上げる
事ができたのだ。


 以前 結果を残してきた種目ほど その時のノウハウが時代に合わなくなった
にも
拘らず首脳陣の一部が全盛時の強化ノウハウに固執してしまう傾向が特に
前例主義
の強い日本には多い。

 だから競泳のように改革に成功した競技は復活できるし、柔道のような旧態
然と
した強化法に固執していると世界から どんどん置いていかれるだろう。

 国際競争力のない競技は衰退する事を考えると各競技団体のトップは前例に
囚われ
ない柔軟な思考が求められるのだ。

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