史上最高の日本タイトルマッチから30年

 今から30年前の今日89年1月22日に後楽園ホール行われたのが、
日本Jフェザー級タイトルマッチのマーク堀越―高橋ナオト戦。

 当時マーク堀越は6連続KO防衛中で世界挑戦への前哨戦と位置
付けられていたのに対し、人気者の元日本バンタム級王者の高橋
ナオトが挑戦する形で日本TVが生中継したのだった。

 高橋ナオトは87年に日本バンタム級タイトルを奪取するのだが
2度目の防衛戦で敗れた後に再起戦でも連敗する形になり、減量苦
からJフェザー級に上げて3連勝してのタイトル挑戦でマーク堀越
は強豪という事から苦戦が予想されていた。

 ホールにナオトコールが響く中でゴングが鳴るが序盤からマーク
が多彩な攻撃でナオトを攻め立て3Rには猛攻で早くもグロッギーに
追い込むのだが、4Rにナオトが得意の右ストレートのカウンターで
2度のダウンを奪い形勢を逆転させる。

 これでナオトはペースを握ったかに思えたが徐々にマークも盛り
返し7Rには一方的に打ちまくると8Rに遂に左フックでダウンを奪い
形勢は再び逆転するわけで、蓄積したダメージからナオトの負けは
時間の問題と思われた。

 ところが迎えた9Rにフラフラのナオトが右ストレートのカウン
ターがマークの顔面を捉えてダウンを奪い一気に流れを取り戻すと、
何とか立ち上がったところに右を打ち込んで通算4度目のダウンを奪
い必死に立ち上がろうとするマークだが力尽きてカウントアウト。

 勝負が決まるとナオトは力尽きて倒れ伏したのに対し、マークが
立っているから何も知らない人が見るとマークが勝ったと思える構
図だったのだ。

 この時代の日本ボクシング界は世界王者が不在で世界挑戦失敗も
結果的に20連敗を喫する真っ只中だったわけで、結果的に平成最初
の年間最高試合はこの試合になったのは当然だろう。

 ナオトはこの試合を含めてスリリングな逆転KO勝ちを得意として
いた事からダメージが蓄積したようで世界タイトルどころか世界挑
戦すらできずに引退したわけだが、来場するファンからここまで応
援された男は珍しいし この試合を観戦した森川ジョージが現在も続
くボクシングマンガ・はじめの一歩を描くきっかけになったわけだ。

 ちなみに当時蒲田で働いていた私は日曜日という事もあり残念な
がら生観戦できず翌日行われた日本Jフライ級タイトルマッチを見に
行ったのだが、当日の後楽園ホールでは前日の試合の話題で持ち切
りで名勝負の残り香という名の余韻に浸っていたのが印象的だった。

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