‘あけてくれ’と‘地球頂きます’

 今から50年前の昨日72年3月10日にOAされた帰ってきたウルト
ラマン48話・地球頂きますは宇宙怪人ササヒラーが、なまけ怪獣
ヤメタランスを送り込んで人類から労働意欲を奪い去って世界中
を混乱させているスキに侵略しようと企む。

 ヤメタランスは自らの意思とは関係なく無限に巨大化していく
という習性があり、体から人間のやる気をなくすなまけ放射能を
出しているのでMATの隊員ですら怠け者にして先頭を放棄させる
シーンなどが印象的なEPでコメディEPとなっている。

 このEPの脚本は三年B組金八先生で有名な小山内美江子で、ウ
トラでの脚本担当は蒸発をテーマにした28話あけてくれ以来だ。

 今回のEPの実質主役は坂田次郎の友人・勝でクラスきっての怠
け者だが、ヤメタランスの放射能は怠け者の怠ける心を怠ける形
で真人間になるというのが面白いところ。

 勝には母親が劇中登場するのだが当時やたらと多かった教育マ
マ的なキャラになっており、ヤメタランス放射能で怠け者になる
落差が激しく笑えるものがある。

 このEPはシリアスな路線が多かった帰ってきたウルトラマンの
中では珍しくコメディ的な内容で円谷作品のふり幅の大きさを実
感するし、ウルトラQで会社と家庭で居場所を失った蒸発志向の
ある男を描いた あけてくれと大いに対照的である。

 もっとも あけてくれの実質主役である沢村正吉らがヤメタラン
ス放射能を浴びたらどうなるのか?と思ったりするわけで、シリ
アスさを追求すると あけてくれになりコメディ調にすると地球
頂きますになるのだろうと思ったりする。

 こうしてみると小山内美江子はウルトラでは2本しか担当してな
いのだが、しっかりと爪痕は残していると実感するのだ。

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