前後期制、方向性出ず=Jリーグ(時事通信) - goo ニュース
9日に行われたJリーグの理事会で来シーズンから復活を目指していた前・
後期制の復活を継続審議にしたようだ。
正直言って04年まで行っていた2ステージ制自体が世界基準からして異常な
システムだったのに、チャンピオンシップの放映権料など目先の金欲しさから
復活させようとする動きには幻滅するし日本サッカーをレベルアップさせると
いうJリーグの理念を蔑ろにしているとしか思えない。
Jリーグの運営方式は地域密着でチーム名から企業名を外したり入場者数を
実数発表するなどプロ野球を反面教師にしたシステムで差別化を計ってスタートし、
それゆえ自称・日本一の人気チームを不法所持している国賊社長の反発を食った
ものの そのプレッシャーを撥ね退けて20年目を迎えた結果プロ野球の方が地域
密着や入場者の実数発表をするなど追随するまでなった。
つまりJリーグのシステムが世界基準だったという事になるし、それ以外の日本の
プロスポーツのシステムがドメスティックな時代遅れの代物というのが証明された
わけだ。
とはいえ どこの世界にも目先の利益に拘る不届き者はいるわけでJリーグで前
後期制を支持する面々も その部類に当たる。
前後期制といえば73年から82年までプロ野球のパ・リーグで行われていたのを
思い出すがシーズン中に2度の優勝争いがあってプレーオフになるとTV中継も
してもらえるという うま味に釣られて実施したものの、2度も消化試合ができると
いう負の側面の影響で興行成績が悪化しプレーオフのTV中継ぐらいではワリに
合わなくなっていた。
何より本当に強いチームではなく、たまたま調子が良かったチームがリーグ優勝
してしまうというスポーツの本質を否定する結果になりやすいので目先の事しか
考えない経営者ばかりのプロ野球ですら10年で止めた昭和の遺物こそが前後期
制なのだ。
Jリーグの場合は立ち上げ当初は10チームしかなかった関係で前後期制度は
止むを得なかった事情はあるものの、96年に一旦1シーズン制にしたのに
翌シーズンから04年までチャンピオンシップのスポンサー契約が残っていると
いう大義名分などから前後期制度に戻してしまう。
それがチャンピオンシップのスポンサー契約満了と共に1シーズン制に戻したの
だが面白いもので優勝争いが毎年のように最終節の近くまで もつれる展開に
なっているし、降格争いも含めて終盤の盛り上がりは素晴らしく04年度までの
前後期制では実感できないものなのだ。
にも拘らず この期に及んでチャンピオンシップの放映権料ぐらいしか うま味の
ない前後期制復活を望む経営者は日本サッカーのレベルアップより自社の儲け
しか頭にない事を満天下にアピールしているようなもの。
一方でマスコミも相変わらず前後期制復活を批判するよりチャンピオンシップの
露出が増えると歓迎的な扱いをするメディアの方が多いのには呆れてしまう。
心強いのはリーグ3位でも日本一になってしまうCS制度に表立って異を唱え
ないプロ野球ファンに対し、Jリーグのサポーター達は昭和の遺物に過ぎない
前後期制を復活させようとする動きがあると同時に反対運動を巻き起こした
結果 心あるチームのオーナーも反対に回ったわけだ。
やはり心あるファンが こういったろくでもない動きを敏感に察知し反対の声を
上げて潰していかないといけないし、それこそがファンの務めでもある。