今から30年前の今日84年12月17日に75年のメカゴジラの逆襲以来
9年ぶりに復活した84ゴジラを映画館に見に行った。
封切りのゴジラを映画館で見たのは72年のゴジラ対ガイガンが
最後だったし、子供向けだった東宝チャンピオン祭りではない大人
向けのゴジラ映画を初めて映画館で見る事になった。
前年の10月16日深夜にテアトル西新で上映されていたゴジラ復活
オールナイト以来ゴジラ復活のムードの中で新作の情報が週刊少年
ジャンプなどにも載っていたのでワクワクしながら宝塚劇場に行った。
上映が始まると冒頭でラドンに登場したメガヌロンを髣髴させる
ゴジラに寄生していた巨大フナムシ・ショッキラスが人を襲撃し、
ゴジラが出現後はスーパーXをはじめとした人類側の英知を絞った
作戦に最後は三原山の噴火に巻き込ませて沈めるなど空の大怪獣ラ
ドンのような展開だった。
単独怪獣のみしか出現しない場合は人類が怪獣に どう立ち向かう
かというのが見どころになるし、最も現実的なのはラドンを現代風に
アレンジした展開だろうから核ミサイルの脅威を併せていた84ゴジ
ラは正統派の極みという事になる。
9年の雌伏の時を経てゴジラが口から発射する熱線がガス状から
完全な光線になり、埠頭で猛攻を仕掛ける戦車部隊を一気に焼き払う
シーンは圧巻だった。
小六禮次郎の音楽も上手く嵌っており伊福部昭ではない不満を
感じなかったし、7月25日に亡くなった平田昭彦の不在は寂しかっ
たが夏木陽介や小泉博に田島義文といった怪獣映画常連俳優達を
久しぶりに見られたのも嬉しかった。
このように本格的な怪獣映画だった84ゴジラは個人的には面白か
ったものの、同時期に上映されたゴーストバスターズやグレムリンに
比べると地味な感が拭えず5年後に制作された次回作vsビオランテ
からは怪獣同士の対決ものとなり本格派というよりもエンターテイメ
ント路線にシフトしていくのだった。