90、2、11 マイク・タイソン敗れる

 今から17年前の今日、東京ドームでヘビー級歴代最強説も
あったマイク・タイソンが2位のジェームス・バスター・ダグ
ラスに10RにKO負けしてタイトルを失った日である。
 2年前の88年3月21日にトニー・タップスを僅か2RでKOして無
敵の強さを誇示したタイソンが倒されるとは信じられなかった。
 2年の間にタイソンは悪徳プロモーターのドン・キングとの結び
つきが露骨になり自分の育ての親である故カス・ダマト門下生の
スタッフを次々と切っていっていた。
 キングも一流トレーナーを宛がったが独特のダマト理論は門下
生でなければ理解できないシロモノであり徐々にタイソンの歯車
が狂い出していたのだ。
 それが顕著になったのが試合前の公開スパーリングでパートナ
ーの右を喰ってダウンするという失態を演じたのだ、しかも体重
もベストより重くベストウェートを作れなかったのだ。
 実は6月に唯一のライバルと言われたイベンダー・ホリフィール
ドとの対戦を控えており、昨年の7月以来のブランク調整のための
噛ませ犬に近い相手との防衛戦という図式だったのだ。
 ところが試合が始まるとタイソンの動きが鈍い、明らかな体重
オーバーから来る切れのなさだ。さして鋭くもないダグラスの左を
掻い潜れずにモロに直撃されてしまうシーンがやたらと多い、当
初は‘あまり早く倒しても面白くない’という思いでみんな見てい
たし実際ダグラスの思いの外の健闘も‘これでちっとは面白くなっ
た’と思っていた。
 8Rにロープに詰められたタイソンが放った右アッパーでダグラス
がダウン、‘やはりタイソンだ’と思っていたがやや長いカウント
とゴングに救われる。
 これでタイソンが次のラウンドで仕留めにかかると思いきや7Rまで
のペースに逆戻り、左ジャブのヒットを考えると‘判定になったらタイ
ソンやばい’と思って迎えた10Rにダグラスの右を直撃されたタイソン
は遂にダウン!そのままカウントアウトされタイソン神話は崩壊した。
 無敵のタイソンとはいえ、やはりコンディションをしっかり作れな
かったら格下の相手にも負けてしまうボクシングの恐ろしさをまざまざ
と見せ付けられたものだった。
 この敗戦以降タイソンは96年に1度返り咲くが迷走を始めてしまうのだ
った。
コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )
« やはり野村克... もはやライダ... »
 
コメント
 
 
 
確か (屯田兵幸男)
2007-02-14 04:59:38
前の日が大雪で、この年の世界の10大ニュースのナンバー1がこれでしたね
 
 
 
書き込み御礼&レス (こーじ)
2007-02-14 20:16:41
>屯田兵幸男様
 それだけ衝撃的だったという事ですね。大橋秀行の平成初勝利と並んで17年前にも拘わらず新鮮です。
 
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