ウルトラマンネクサスという作品は以前から記しているように
基本的に主役は変身せず、変身する者が複数登場するなど通常の
ウルトラヒーローのセオリーから完全に外れた異色作である。
どちらかといえば大人向けの作品だったのが土曜の朝にOAされて
いた事もあり人気も今ひとつで放送短縮という憂き目に遭ったの
だが、ネクサスの要素は後番組に大いなる影響を与えているのを
考えると悪い作品ではないと実感する。
昭和の異色作といえば特訓がキーワードだったウルトラマンレオ
や仮面ライダーアマゾンなど、40年前にOAされていた作品が思い
浮かぶ。
レオは当初 光線技を使わずにキックなどの打撃技を決め技にして
戦っていたし、アマゾンに至っては野生的なキャラという事から噛み
付や引っ掻きにトドメは敵を切り裂く大切断とウルトラやライダー
のセオリーを完全に崩している。
ただし残念ながら異色作というのはセオリーに慣れた視聴者には
不評なわけでレオを最後にウルトラは一旦終了するし、アマゾンは
TV局の地方ネット問題などで24話で打ち切りになるなど不遇な扱
いを受けている。
それでもレオやアマゾンの要素は後の作品に影響を与えており、
仮面ライダーアギトにはアマゾン的キャラであるギルスが登場する。
そういえば同じ年に始まった宇宙戦艦ヤマトも当時としては異色
作で、裏番組の関係で人気も今ひとつという事で放送短縮になって
いるのも似ているだろう。
‘異端は最初は嫌われるが、正統派は異端を取り込んで進化する’
とはボクシング評論家・ジョー小泉氏の言葉だが、レオやアマゾン
にネクサスなど当初不評だった異色作も後のシリーズに しっかり
影響を与えていると思うのだ。
これらが共に西暦で4の付く年に制作されているというのは、
何かの偶然だろうか?