ミラーマン10話:時計が止まった街

 今回の目玉はインベーダーに協力する元SGM隊員・日野正史が登場するマッド
サイエンティストものでもあるし、インベーダーの巨大宇宙船を着陸させるために
出現したメカ・重力マシンの存在感が光る作品でマシンが作り出す重力で時間が
止まる現象を引き起こすのだが そのために起きる飛行機や車が凍りついたように
止まっている描写が素晴らしい。


 日野はSGMの隊員だったが優れた才能を持ちながら人間性に問題がある事
を危惧した御手洗博士と対立がありSGMと袂を分かち行方不明になっていたと
いう設定で、ウルトラセブンのプロテ星人編に登場し電送移動機を作り上げた
天才科学者・一の宮貞文を髣髴させる。


 東京近郊にある人口100万の波岡市のビルから ある夜に巨大メカ・重力マシ
ンが姿を現して起動すると周囲が緑色の半透明の膜に覆われて上空を通過中
だった飛行機も停止してしまう。

 
 おりしもSGMに野村由起の恋人だった元隊員の日野正史から電話があり
重力をコントロールするマシンを開発して完成させ、御手洗博士に‘あの壁を
突破してみろ’と挑発してきた。


 実際に現場に向かうと波岡市に近づくと時計の秒針が遅れ始め、緑のガラス
のような壁の中では車が凍りついたように止まっていたし その壁が徐々に広
がっていた。


 この描写が何度見ても素晴らしい。

 調査中の京太郎は日野の気配を察知して後を追い問い詰めると、自らの
才能を認めなかった御手洗に復讐するためにインベーダーと手を組んで重力
マシンを完成させた事を語るのだが最後はインベーダーから用済み扱いで
強力な毒薬を注入されてしまう。


 東京まで残り2時間で時間停止点が達する危機の中で日野から‘波岡市に行
けるのは光とインベーダーだけ’と聞いていた京太郎はミラーマンに変身し
マシンにミラーナイフなどで攻撃するものの効果はなかったので内部に侵入。


 ここには正体を現したインベーダーが待ち受けていた。

 苦戦しながらも3体のインベーダーを倒したミラーマンは内部からマシンを破壊
すると緑色の壁の爆発の衝撃で巨大宇宙船も弾き飛ばされて地球の危機は
去った。


 忌まわの際に日野は由起に電話をかけて‘インベーダーは もっと恐ろしい
事を計画している’と告げて力尽きて死ぬのだった。


コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
恐ろしい計画 (怪人太郎冠者@1553)
2012-02-14 22:22:23
インベーダーは重力マシンで時間を止めるとともに、その間に第11話の宇宙ウィルスをまき散らすという計画だったのでしょうか?
実際にも核攻撃よりも細菌テロの方が恐ろしいですから、日野の最後の言葉は11話における「静かなる恐怖」ということでしょうか?

と同時に、使い捨てにされた日野の悲哀はミラーマンの根幹である「どちらでもない自分」、日野はある意味、裏ミラーマンなのかもしれません。
 
 
 
かもしれませんね (こーじ)
2012-02-14 23:27:06
>怪人太郎冠者@1553様
 続く11話が宇宙ウィルスの散布がインベーダーの目的ですから、当たらずとも遠からずですね。

 細菌テロというのはウルトラでは扱われてなかったので、こういうのは最初の試みではないでしょうか。

 本来なら悲壮感溢れるはずの日野ですが、見るからに性格悪そうだから当時は同情されなかったですね。
 
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