女房と出会った日

　７年前の今日は女房と初めて会った日である。
　遡る事19日前の1月12日の夜に突然門司の先輩方から電話が
あった。「決まった相手はいるかね？」というもの、「まだフ
リーですよ」と応えると「実は女房が妹を紹介したいと言って
いるけど、どうだろうかと思って」と言ってくれるのでお願い
する事になった。
　そして日程が1月31日という事になったのだが、考えて見ると
先輩の奥さんは11歳違いだからそれより更に年の差があるという
事だから‘年が離れすぎているから大丈夫か？’と一抹の不安が
あった。
　実は地元の市議会議員がお客さんから言われて‘年明け早々に
いい人を紹介するから’と言ってきたのだが10日過ぎても何の音
沙汰もないため、またダメかと思っていた矢先だった。
　1月31日の10:30に先輩一家と待ち合わせして先輩の車で
響灘緑地のグリーンパークに行ったものの、当日は雪混じりの
強風が吹きすさんでいたので熱帯生態園に入る。
　ただそこだけでは時間を持て余すのでレストランで昼食を取った
後に私の家に行く事になった、というのも先輩の奥さんが私の家を
見てみたいと言っていたので急遽行く事になった。
　早速家に行く事を電話し先輩の義妹である女房を私の車で家まで
連れて行く事になった。緊張気味の女房にいろいろ話しかけながら
1時間ほどで到着する。
　先輩夫婦には当時1歳8ケ月の息子がいたのだが、妹が前年11月に
生まれた娘と4歳になったばかりの息子を連れて帰省していたのだ。
　私の甥っ子と先輩の子供が楽しそうに家の中を走り回り、先輩夫
婦や女房も生まれたばかりの姪っ子を可愛がってくれていた。
　やがて夕食を近くの料理屋で取り、女房の実家経由で先輩夫婦は
帰りの途に着いた。実は女房が翌2月1日から京都の上の姉夫婦宅に
子守りに行く事になっていたので連絡を取る事ができなかったのだ。
　先輩夫婦と女房が帰ったのを見届けた後に妹と母から「この話は
ダメね、せっかくよさそうな人だったのに」と言われた。と言うの
もグリーンパークは寒いので、ラガーシャツにＧパンという服装で
行ったのだがそれが妹をカチンとさせたようだ。
　こういう席では最初の見てくれが肝心でちゃんとした格好で行か
ないといけないのに寒いからといってラグビージャージを着てくる
ような人とは絶対に嫌だ。と言うのである、母も同じような意見だ
った。結局2人から散々文句を言われながらその日は暮れたのだ。
　ただ不思議な事に13歳もの年齢差や、妹らに言わせる常識破りの
服装で行ったにも拘わらずこの話は4月以降とんとん拍子に進み11月
19日に結納、3月18日に式を挙げる事になった。
　94年に30を迎えてからいろんな方面から縁談話が来たものの上手く
行きかけてはことごとく潰れていた。
　因みに市議会議員が持ってくるはずの話は相手が了解してなかった
ようで2月の初めに断りの話が来ていたのだった。
　女房に言わせると‘よくしゃべる人だ’と思っていたらしい。
それでもしっかりまとまったのだ、本当に縁とは不思議なものである。