初めて‘大人の世界’を体験した30年前

 今から30年前の今日81年8月1日は私が理容学校通信制の1年目のスクー
リングを終えた日である。

 当時の私は高3で前年に家業の跡継ぎをする事を決意しオヤジの兄弟子
だった福岡市内の店に弟子入りが決まっていたのだが、師匠から‘仕事をしな
がら勉強するのは大変だから通信教育を受けたら’と勧められ80年の9月に
福岡の理容学校に入学して通信教育を受け始めた。

 とはいえ通信制の生徒は年に1度理容学校で2週間ほどスクーリングに通う
事になるのだが、我が家から福岡市内までは当時2時間ほどかかっていたから
泊まり込みができるという事で教室を改造した部屋に寝泊りする事になった。

 そして2週間を一緒に過ごした業界の先輩達から‘大人の世界’を体験させて
もらったわけである。

 スクーリングの案内書には‘寄宿舎がある’と書かれていたので夏場という事で
タオルケット1枚を持って行くと、何と板敷きにゴザを敷いている部屋だったのには
笑った。

 男は長崎や遠くは大阪から来ている生徒が泊り込んでいたのだ。

 泊まり込み用の台所があって食事は女性達が作ってくれるので、男連中は後
片付けが主な仕事。

 近くにサンチェーンというコンビニがあったし、田舎育ちの私にとっては天国の
ような場所だった。

 スクーリング前に禁止事項といって‘サンダル履き’‘授業中の喫煙’などが
あったのだが、みんな平気でサンダル履きで来ているし教室の後ろはタバコの煙
だらけという状態ながら先生方はロクロク説明もせずに黒板に書き連ねるだけと
いう事が殆ど。

 そこで一緒に泊り込んでいる先輩方に その旨を言うと‘そこがオトナが行く専門
学校ならではで高校などと違うところ、自己責任の世界やけん授業を受けたくない
ヤツは受けんでいい代わりに単位が取れんやったら卒業できんだけたい’などと
実情を説明してくれた。

 更に驚いたのが理容学校を運営している福岡県の組合長が同郷という事で隣の
稚加栄で昼食をご馳走になったのだが、その時に社会科を担当している校長が
同席して‘いやぁ、通信制の生徒は真面目でいいですよ’と言っていた事。

 という事は全日制は更に酷いという事だろう。

 そんなワケで部屋にはTVもないので寝る前は近くのコンビニで酒類を買い込んで
大騒ぎはしないものの、酒盛りが始まり酒の飲み方なども先輩方から教わったの
だった。

 だから画像は酔いつぶれたところを しっかり先輩方から写真に撮られた物。

 終盤には近くの大濠公園で花火大会が行われていたので、みんなで見に
行ったりと楽しい事ばかりだったのだが さすがに最終日に行われる終了テストが
近づくと先輩方も勉強を始めていた。

 そういう意味では高校を卒業して弟子入りする前に一般の社会勉強ができたと
いうのは貴重な体験だった。

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