2016選抜高校野球,第9日

【センバツ】秀岳館が逆転サヨナラで4強へ！木更津総合のエース・早川は9回二死で力尽きる…

　いよいよ大会の華ベスト8の4試合が行われる中で最も注目のカー
ドは第3試合の木更津総合－秀岳館。

　大会前から評判だった攻撃力を誇り初戦では大会屈指の左腕・高橋を
攻略した秀岳館打線を大阪桐蔭打線を1失点に抑えた木更津の早川が
押さえ込めるかが最大の注目点だが、そのためには木更津打線が秀岳
館の投手陣から最低でも3点の援護が欲しい。

　第1試合は智弁の村上を滋賀打線がどこまで打ち込めるか。

　第2試合は平安・市岡と明石・吉高の投げ合いが注目されるカード
だが、東邦に勝って勢いに乗る明石を地力に勝る平安が止める事が
できるか。

　第4試合は高松打線を海星の投手陣がどこまで抑えられるかが焦点
ではあるが、2試合を先発してきた春田が肘を痛めているというのが
海星にとっては最大の懸念材料ではある。

　第1試合：智弁学園 6－0 滋賀学園

　1回に智弁はヒットで出塁した1番をバントで送り3番&5番の
長短打で2点先行すると、2回にも7番&8番が四死球で出塁しバ
ントで2・3塁から1番の3ベースで2点を追加し3回にも4番&
7番のヒットで序盤で5－0と一気にペースを握る。

　一方の滋賀は3回に1アウトから8番が歩いて2アウト後1番が
ヒットで1・2塁としたのが唯一のチャンスで、6回に再び1番が1ア
ウトからヒットで出塁したが2番が投ゴロ併殺に倒れ完敗。

　課題だった立ち上がりを3試合目にして上手くクリアした智弁・村
上に対し、滋賀・神村の立ち上がりを速攻で潰した智弁打線の勝負強
さが明暗を分けた。

　第2試合：龍谷大平安 2⑩1 明石商

　立ち上がりは平安打線が明石・吉高から3安打を放ちながら得点でき
ずに迎えた6回に、それまで１安打の明石が2アウトから2つの四死
球でチャンスを掴むと3番のタイムリーで先制する。

　これでペースを握った明石は7回にも1アウトから6番が3ベースを
放ったものの7番の3バントスクイズ失敗で併殺となったその裏、平安
は3番が歩いて5番のヒットで1アウト1・3塁から6番の2塁ゴロが
併殺崩れとなり追い付く。

　直後の8回に明石は8番が2ベースで出塁し9番四球でノーアウト1・
2塁からバントを失敗し2アウト後3番がヒットを放ったもののホームを
突けずに勝ち越しのチャンスをつぶすと、流れが平安に移ってしまい10
回の2アウト満塁は凌いだが12回に先頭の5番が2ベースを放ちバント
で1アウト3塁から満塁とし2アウト後1番がサヨナラタイムリーで
決着した。

　スクイズを失敗すると流れが変わるという定説を証明する試合になった
わけだが、特にバントを得意にしていた明石がバントの失敗で流れを逃し
たのは何とも皮肉な話だった。

　第3試合：木更津総合 1－2 秀岳館

　3回まで共にランナーを出しながら無得点で迎えた4回に木更津は
ヒットで出塁した1番をバントで送り4番のタイムリーで返して先制
すると、その裏に秀岳館も先頭の3番が2ベースで出塁するものの4
番の一打はハーフライナーの2塁ゴロで3塁に進めず。

　5回以降は早川の前にノーヒットに抑えられていたので4回の4番の
一打が悔やまれる事になっていたのだが、9回に先頭の2番が歩いて
バントと1塁ゴロで2アウト3塁から5番が歩いて1・3塁とし6番&
7番の短長打で逆転サヨナラ勝ち。

　9回2アウトまで秀岳館打線を無得点に抑えた早川の好投は素晴らし
かったものの、打線が5回以降8回を除いて毎回ランナーを出しながら
追加点を奪えなかったのが最後に響く形になった。

　第4試合：高松商 17－8 海星

　2回に高松が5番&6番の長短打に9番のタイムリーで2点先行すると
海星も その裏に3安打に犠牲フライで1点を返す。

3回に高松は2番手・土谷から1番&3番の連打で1点追加し5回にも
9番&1番の連打からバントと3番の犠牲フライに4番のタイムリーで
大勢を決め、6回以降も海星の3人の投手から毎回得点の17点を上げる
圧勝となった。

　海星も5回以降8回を除き反撃したものの大量失点が響いた形だが、
先発の春田が肘の不調から2イニングでマウンドを降りざるを得なかっ
た時点で試合の趨勢は決まっていたのではないか。