川北紘一といえば平成ゴジラシリーズの特撮監督で有名だ。
個人的には84年の さよならジュピターや零戦燃ゆ の特撮監督として名前を
知ったのだが、平成に入ってゴジラvsビオランテから95年のゴジラVSデストロ
イアの平成ゴジラシリーズに96年からのモスラシリーズでも特撮監督をしてい
る。
その川北監督がウルトラQの鳥を見たで合成を手がけたのがテレビでの最初
の仕事で、初代ウルトラマンが登場するシーンも手がけたらしい。
そして最初に特撮監督をしたのがウルトラマンエース。
21話の天女の幻を見たから22話の復讐鬼ヤプールの2本でデビューし、ヒッ
ポリト星人偏を含めて10話の演出をしていたのだ。
川北特撮といえば光線の撃ち合いが特徴的で、昭和のゴジラシリーズで‘怪獣
プロレス’といわれた肉弾戦とは一線を画し動物の持つ本能的でリアルな戦いを
目指しているからこそ持っている最大の武器である光線技を徹底して使うという
パターンを持っていた事になる。
エースの場合は当初は帰ってきたウルトラマンでシーゴラスの起こす壮大な
津波のシーンを撮った佐川和夫が最初に特撮を担当し、17話からミラーマンで
撮っていた高野宏一が復帰。
その間に田淵吉男や大平隆も担当しているのだが、田淵吉男が8話で大平隆が
2話というのだから川北監督の10話分とは意外に多い。
という事は かなり期待されていた人材だという事になる。
ただしエース以降は東宝映像制作の流星人間ゾーンで特撮監督をしてウルトラ
で特撮監督をする事はなかったので、エースはウルトラで川北特撮を味わえる
唯一の作品という事になるだろう。