伊東がW杯初勝利=日本選手3季ぶり―ジャンプ(時事通信) - goo ニュース
今日 札幌の大倉山で行われたノルディックスキーW杯札幌大会で日本の伊東
大貴が1回目に134mを飛んでトップに立つと、2回目も130mを飛んで2位の
アンデシュ・バルダル(ノルウェー)に0,1ポイント上回るW杯初優勝を飾った。
1回目に不安定な風の中でW杯の上位勢が飛距離を落とす中で伊東は
134mを飛びトップに立ったものの、まだW杯では未勝利だったので最後に飛ぶ
プレッシャーなど いらぬ心配をしながら見ていたがプレッシャーに負けずに
勝ててよかったと思うし これで名実共に日本の新エースの誕生だ。
大倉山といえば奇しくも40年前に行われた札幌五輪で70m級で優勝し両種目
優勝を期待された笠谷幸生が2回目に風に恵まれずに失敗し表彰台すら逃した
会場で、一応地元ながら日本人選手が全盛だった頃から今ひとつ勝てない
ジャンプ台である。
意外にも相性がいいのがノルウェー勢でW杯でも好成績を残しているから1回
目に3位だったバルダルが1位にいるのも気になったのだが、よくぞ動じずに2本
とも揃えたと思う。
日本のジャンプ陣は92年のアルベールビルで原田雅彦が4位に入ってから
上昇モードに入り世界選手権では93年に原田、95年に岡部孝信がNHで97年に
原田がLHで優勝し98長野五輪で船木和喜がLHで優勝して団体でも優勝と
ピークを迎えていた。
ところが翌シーズンから長身選手が有利なルール改正で98~99シーズンを
最後に下り坂に入り低迷状態になった。
どうしても葛西紀明や岡部ら長野世代が素晴らしかったし選手寿命も伸びた
ので よくある次の世代がワリを食うケースになっていたため、ポスト長野世代の
台頭が望まれていた昨今。
世界選手権ではメダルを獲得できていたものの どうしても最後は葛西らに頼る
パターンが続いていたのは、ポスト長野世代がW杯などでも表彰台に上れても
優勝がなかったのが世代交代ができそうでできなかった原因だ。
昨年末から年始にかけて行われたジャンプ週間で伊東は2位と3位に入る健闘を
見せ それを含めて2位が2度、3位が1度と表彰台には上がれていたので残るは
優勝という段階だったが これが意外に難しい。
しかし地元開催のプレッシャーの中、風が不安定で難しい大倉山で世界の強豪と
互角に戦って優勝したというのは大きいし これで名実共に日本のエースになれた
と思う。
後は伊東と同世代の竹内択らが これに刺激を受けて選手層を厚くして、日の丸
飛行隊を復活させて世界のトップに返り咲いて欲しいものだ。