稀勢の里、苦渋の決断=回復進まず「力入らない」―大相撲夏場所
一昨日 長年のライバル・琴奨菊に いいところなく敗れた横綱・
稀勢の里が昨日の11日目から休場する事になった。
春場所で痛めた左上腕付近の状態が思わしくなく‘力が入らない’
との事で決断したわけだから、今は1日も早く回復に努めて欲しい
と思う。
春場所の13日目に日馬富士との一番で敗れた際に土俵下に転落
して左上腕部二頭筋損傷で全治1ヶ月の重傷を負った稀勢の里は
14日目に敗れて照ノ富士に星1つの差を付けられたものの、千秋
楽にケガを圧しながら照ノ富士に連勝し奇跡の逆転優勝を飾った
のは記憶に新しい。
ただし当然のように代償として春巡業を休場するなどリハビリに
務めた結果、何とか今場所に間に合わせた感が強かったものの初日
早々に嘉風から敗れるなど決して本調子ではないと思われていたし
8日目まで6勝しているが危ない内容の相撲が多かった。
考えてみればケガをしないのが稀勢の里の最大の魅力だったし、
特に今場所は横綱・稀勢の里の姿を見るためにチケットを購入した
ファンのために出場にこぎつけたと思われる。
しかし先述したように本調子には程遠く下位力士相手に辛うじて
勝つ内容では中日まで2敗をキープしていたものの優勝する雰囲気
ではなかったし、9日目に敗れて完全に優勝の目がなくなった事で
張り詰めていたものも切れたのではないか。
幸い今場所は鶴竜こそ休場しているが白鵬と日馬富士が元気なの
で負担も軽減されただろうし、逆に東の横綱という立場から白鵬-
日馬富士戦が14日目あたりに組まれ千秋楽結びの一番が優勝争い
とは全く関係のない取り組みになってしまうのも避けたいという
見方もできる。
綱の責任は自らの勇姿を見せる事も大事だが、勝てないと責任は
果たせないので今回の途中休場は勇気ある決断だと思うのだ。