髭剃りの出血大サービス

 昨日に続いて髭剃りネタを。
 髭剃りの極意は1張り手(左手でしっかり張る)、2蒸し、3剃刀の切れと福岡時代の師匠から教わった。
 ウチの店では自分で研いだレザーを使っているのだが、修行時代の店は福岡と蒲田ではいずれも替刃の剃刀を使用していたのだ。
 どうしても経験年数の浅いスタッフは張り手が甘いので、切れる剃刀で剃らせないと難しいという事情がある。
 ただ替刃というのは削りたての鉛筆の芯と一緒で鋭く切れ過ぎるので襟や額剃りをやってから髭剃りに使用するのだ。 ところが福岡時代のお客さんでとんでもない方がいた。
 髭が濃いのだが元々皮膚が弱いので血を吹きやすい。それなのにツルツルに剃り上げないとうるさいのだが、悪い事に剃刀が切れないと嫌がる。
 そこで髭剃りに入る前に剃刀の替刃を目の前で替えさせるのである。
 つまり皮膚が弱く、血を吹きやすい髭を切れ過ぎる剃刀でツルツルにするのである。

剃り終わると顔は正しく血まみれ!

 顔を誤って剃刀で切るよりも派手に血が出ているのだ!

 周りのお客さんなどは驚いて見入っているのがよく分る。

 師匠も

‘あげん血を吹かせてつまるか!’

と言うが当の本人は

‘ア~気持ちよかった、これぐらい

剃らんとつまらん’

 と平然と言うのだ。  

安売りなどでの出血大サービスは大歓迎だが、こんな髭剃りでの出血大サービスはシャレにならないし、とてもじゃないが願い下げだ。
 あれから20年経つが、あのお客さんは元気にしているだろうか? 

コメント ( 3 ) | Trackback ( 0 )
« 髭剃りは気持... 怪奇大作戦・... »
 
コメント
 
 
 
質問 (屯田兵幸雄)
2007-04-23 05:16:31
床屋には¥3800取る床屋と¥1980の床屋があります。どこがどう違うの





3800の方は顔のパックしてくれますが
 
 
 
Unknown (まみ)
2007-04-23 05:36:23
ぎょえーーー!
なんかのショーみたいですけどー!
マゾだ、このお客さん絶対ドMに違いない!!(笑)
 
 
 
書き込み御礼&レス (こーじ)
2007-04-23 21:59:06
>屯田兵幸男様
 1980円の方は早く済ませるには効果的ですが、かなりアラが目立ちます。
 3800円の方は割高ではありますがゆったりできます。
 好みがあるでしょうが年間8~9回ならゆったりした方を私はお勧めします。

>まみ様
 ‘事実は小説より奇なり’とはよく言ったものです。
 3軒の店で働きましたが、さすがにこういうお客さんは
1人だけですよ。
 
コメントを投稿する
ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。