ウルトラセブンの9話アンドロイド0指令に登場するチブル星人
の人間体を演じるのは植村謙二郎である。
おもちゃじいさんとして1年程前から廃屋に住み着きリヤカーで
本物そっくりな おもちゃを売って回っていたキャラで、かなり怪し
く不気味な存在だった。
廃屋の中でチェスの駒を使って作戦を練る姿も怪しげな雰囲気を
醸し出していたしアンドロイド少女・ゼロ・ワンの原型となってい
るマネキン人形まで格納しているわけだが、それから4年後に植村
謙二郎演じるキャラは同じく廃屋に住み着く事になる。
それは帰ってきたウルトラマンのムルチ編に登場するメイツ星人
の人間体として、父親を探して上京し飢えと寒さで死にかけていた
佐久間良少年と廃屋で同居するわけである。
2つのEPは共に上原正三が脚本を担当しているわけだから廃屋
に住み着くキャラとして植村謙二郎は上原氏のイメージに合うのだ
ろうが、チブル星人として登場した時には鼻髭をたくわえ紳士然と
していたのに対しメイツ星人として登場したときには髪はボサボサ
でボロボロの着物を着ているなど全く違う雰囲気だったので同一人
物とは思えなかった。
同じ脚本家が書いて要素を持ちながら作品によって全く雰囲気が
異なるケースがあるわけで、例えばウルトラマンのヒドラ編やセブ
ンのノンマルト編は死んだ子供の霊がメッセンジャーとして女性隊
員に警告に来る事から話が始まるのだが両EPの雰囲気は全く違う。
それを考えると上原正三作品で植村謙二郎という共通の要素を持
ちながら、チブル星人編とムルチ編では全く雰囲気が違うというの
も同じ形なのだろう。