宮地神仙道

「邪しき道に惑うなく わが墾道を直登双手
または 水位先生の御膝にかけて祈り奉れ。つとめよや。」(清水宗徳)

金よりも銀よりも

2005年11月17日 | Weblog


一人芝居が演ぜられました。
彼はこの町の男子生徒の様に見えまし
たが、内容は昔のイタリアのある町での話しでした。
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一人のお手玉の曲芸を特技としていた若者が、興行団
の入団を希望しました。彼は一度断られましたが、やがて
入団を許可され、様々な曲芸を習得していきました。
彼の一番得意とするものは、7つのそれぞれ色彩の異なる
ボールと、金色のボールの計8個を使用してあたかも虹が
存在しているかの様に見せるお手玉の、その曲芸でした。
彼はその団の中でも一際有名な存在となり、王宮にも出入りし、
また各地を回って人気を博しました。

しかし彼はやがて老齢を迎え、人々には見向きもされなくなり、
金銭にも困る事になりました。住宅も失い、教会で寝泊りする身と
なりました。

彼がある日床で寝ていると、沢山の捧げ物が自分の横に置かれて
いるのを見ました。沢山の人々が教会を訪れて捧げ物を残して
行くのを不思議に思った彼はその一人に尋ねました。
一人は答えました。「今日はキリストの祝日なのですよ。」

彼は自分には何も捧げられる物が無いと思いましたが、やがて
曲芸であれば捧げる事が出来る事に気がつきました。そして外見を
整え、教会の中で生涯の中でも最高の曲芸を行いました。

そこで偶然教会を訪れた人物が、曲芸をする老人を見て、
頭がおかしい人間がいるから何かまずい事が起る前に神父を呼びに
いかなければならない、と考え、神父を呼びに急ぎました。
老人はその間も曲芸を続けていましたが、金色のボールが丁度最頂点に
上がった時、突然絶息し、その場に倒れました。

神父と呼びに行った男性が教会に入ると、彼らは既に息絶えた男性の
姿と、金色のボールを手にして優しく微笑んでいるキリストの像を
見たという事でした。
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