3/2NHK「うたコン」に、東京スカパラダイスオーケストラfeat.長屋晴子(緑黄色社会)が出演、『青い春のエチュード』生演奏を初披露。
最近は積極的に情報を仕入れておらず、正直、ここのところの若手人気アーティストとのコラボには良い印象がなかったのだけど。
これ、よかったわ~。
翌日からapple music でリピートしている。
なぜそんなに良いと思ったのかを考えてみた。
そもそも、緑黄色社会、いままでもテレビでみかけていたけれど、実はヴォーカルが苦手な感じと思って、例えば紅白歌合戦でも録画をスキップしていたんだよねー。せっかくおもしろいバンド名なのに、直球の熱唱系というのが違和感あった。
でもそれが、スカパラの演奏とはぴったり合っている。
そして長屋さん、ものすごく歌うまくないですか。
ただ声がいいというだけでなく、歌詞がはっきりしっかり届いてくる。
「うたコン」の初見ではまず川上さんの作曲がいい!と思ったんだけど、谷中さんの歌詞も、またこの季節にぴったりの私が好きな世界観。
変わってしまうことが怖くて告白しないで卒業すると決める片思いの歌なんだけど、恋をすると、ほんのささいなことも、大げさに捉えてしまうもの。
谷中さんの大仰な歌詞と長屋さんのドラマチックな歌声が、その心情に実に合っているのがおもしろいなーと思った。最近の少女漫画は全然分からないけど、シャープな描線、コマぶち抜きで、擬音もズガーンと大きく描かれている漫画みたいな感じで。
谷中さんが片思いの詞を書いているという若干の気恥ずかしさを、長屋さんの歌声が吹き飛ばしてくれるばかりか、歌詞カード無しで歌詞の良さもよく分かる、ありがたいヴォーカルだ。
で、流れで、Saucy Dog の彼や、幾田りらさんとのコラボ曲も、あらためて聴くと、それぞれいい! がぜん新アルバムも楽しみになってきた。
歌詞が届くといえば、矢野顕子&野口聡一『君に会いたいんだ、とても』について書いておかなければいけないのだ。
いやこれ実は矢野さんの最高傑作なんじゃないのと思っている。
まぁいつもそうなんだけど。
野口さんによる豪速球の直球を、バットの真芯に当ててフルスイングしたら場外大ホームランになった的な。
投球の威力で球の伸びが違うのよ。
そこにバッターの選球眼(この球をどう打つべきか)と日ごろの鍛錬が合致して、歴史的ホームランになったと。
スタイルとしては、子どもの作文に曲をつけて歌った「たいようのおなら」を思い出すなー。(アルバム『ただいま。』所収)あれも大好きなのだ。
聴く人を選ぶかなーという気もしないではないけど、そこは宇宙ファンの人が初めて聴いて、歌詞への共感から逆に矢野さんの演奏スタイルになじんでいったりするんじゃないかな。