縮む世界
・１４響「詳しいことはわかんないけど
生きてるんだなぁ～
って思った
」透明「生きてる
」響「うん
だって動いてるし・・・。」瑠璃「ま、まあ、動いてるけど・・・
感情とかは無いんだよ
機械みたいじゃない
」響「えっ
でも、感情は無いかもしれないけど
考えて動いてるんじゃないの
」透明「
」怜「考えてるの
」響「えっ
違った」透明「今、響の答え・・・少し引っかかった
」響「あっ
ごめん」透明「違う違う
良い意味でヒントになった気がする
」響「
」響の言うように、感情は無くても
考えて行動しているというのは
行動理念が存在しているという可能性もある
私も大人になるに連れて、頭が固く
なっていたのかもしれないなぁ
先入観で、感情と思考を分離して考えるのを
忘れていた
もしコンが感情の無いロボットみたいなもの
だとしても、その思考は最適解を導き出すもの。
それがプログラミングされたものだとしても
そこには確かに思考が存在し、存在理由を
提起することができるのでは・・・
怜「どゆ
」透明「なんだその簡略化は
・・まあいいや、確かにコンには感情が無いし、
行動自体も感情が含まれていないけど
思考はしているように感じる・・・。
この世界での存在理由としては弱いかも
しれないけど、仏様には進言できる材料
だと思うんだ
もしこの思考が、ある程度のパターンを
構成したら、そこには自分に対する
禁止事項も出てくる
思考は感情と表裏一体だから、コンが
自分に課した禁止事項が制定されれば、
それは嫌なことダメなこととして
薄っすらでも感情が生まれる可能性すらある
」瑠璃「でもこの子の中には、魂としての核は
無かったよ
魂力(こんりょく)が無い状態で感情は生まれないんじゃないのかなぁ～
」透明「そこなんだよなぁ～
確かに魂力・・・つまり神粒子の力は
そういった思考を制御する感情や
理性のような複雑で自由な判断機能が
備わっていて、無限の思考を許されたもの
・・・コンの場合は一定のルールでしか
動かないから、自由な選択は無い・・・。
これを崩して考えないと、コンの存在は
機械等と同じ物という扱いになってしまう
せめて核となるものが存在していればなぁ～
」怜「・・・核って、どうやったら作れるの
」透明「いやいやいやいや
それこそ、冒涜になっちゃうよ
この世界での枠を超えてしまえば、
私達でも裁かれることになる
この世界は自由な思考と感情の世界
だけど、修行の場でもある以上、
その枠を超えることは罪でしかないんだ
」怜「・・・やっちゃダメってこと・・・
・・・できないんじゃなくて・・・。」
透明「うっ
(こいつ、変なところ鋭いなぁ～
)」瑠璃「え～～～っ
できるの」怜「・・・・できるの
」透明「い、いや・・・・・
その変な期待に満ちた目をヤメて
」いやいやいやいや
絶対ダメでしょ続く・・・。
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