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瑞龍寺 ー 規矩大乗伽藍瑞龍

2018-12-25 22:09:41 | 寺院
瑞龍寺は「伽藍瑞龍」と言われるように、法堂・僧堂・大庫裏・山門を廻廊で連結し、その中に仏殿を配置する曹洞宗の典型的な伽藍である(「国宝高岡山瑞龍寺」瑞龍寺国宝指定記念出版刊行委員会編 1999)。
隠元の渡日、承応三年(1654)は曹洞宗僧侶に刺激を与え、黄檗禅への傾倒、更に曹洞宗内部に「古規復古」の動きを齎した。その中に大乗寺二十六世となって、「規矩大乗」の基礎を作った月舟宗胡がいる。その法嗣雲山愚白は瑞龍寺に入っている。もっとも「瑞龍寺位山集」には歴代住職となっておらず、「前住」と記されている。「伽藍瑞龍」とはなっていないようである。
瑞龍寺が「四神相応之地」とし現在地に移ったのは、承応三年(1654)と伝わる。廻廊含め伽藍完成は寛文三年である。一方黄檗山万福寺は、万治三年(1660)に土地を与えられ、開創したのは寛文元年(1661)、完成したのは延宝七年(1679)である。瑞龍寺完成時には総門・法堂があったのみであった。隠元筆の扁額があるとはいえ、「伽藍瑞龍」の手本が万福寺とは云い難い。



 惣門

 山門

    仏殿

 法堂

 大庫裏  廻廊

(注)1993年6月撮影
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