吉備津彦神社は備前一宮であった。一宮と認識された時期は不明であるが「左経記」寛仁元年(1017)の条に「・・・、其次備前吉備津宮神主被叙外従五位下、・・・」とあるのが吉備津彦神社の初見であると云われいる(「中世諸国一宮制の基礎的研究」中世諸国一宮制研究会編 2000)。規模など不明である。寛弘九年(1005)の「備前吉備津神社縁起写」には「正宮、本宮、拝殿、舞殿、・・、廻廊、二階楼門、・・、西国旅所第一之社観」とあるが、建武、文安、文亀と書写が繰り返されており、時代を同定するのは難しい。鎌倉初期には、「作善集」に「備前国常行堂」と重源は作善の一つに挙げている。
文明三年(1471)の「総社家社僧神前御祈念之事等注文」(「吉備津彦神社史料 第一文書編」1936)によると、八間八間の本社、四間四間の拝殿、その前に四間十六間の長屋等々、更に六間四面の神宮寺本堂、七間四面の神力寺本堂と神仏混淆の一大伽藍であったようである。
この本殿は永禄五年(1562)松田 元賢により日蓮宗に改宗しなかったということで、放火され焼失する。慶長五年(1600)に至り小早川秀秋により、備中在住の大工・小工を使い再建に着手、しかし関ヶ原の戦いのため、礎柱までで中断、完成したのは同九年(1604)池田利隆であった。
「寛文八年(1668)国主左少将源光政朝臣、御造営あるべしとて、御神体を仮宮に遷され、旧殿を壊ち給ふ」と天保十一年(1840)の「備前一宮日供講勧進帳」にある。光政没後であるが、延宝六年(1678)池田信輝(輝武命)・池田輝政(火星照命)を相殿に祀る。光政の推進した先祖祭祀が背景にあるのだろう。「勧進帳」は「三十年を経て元禄十年(1697)、国主左少将源綱政朝臣の時にいたりて、御普請成就す、是今の御宮なり」と続ける。池田家の出身地の様式、尾張造りである。
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子安社
文明三年(1471)の「総社家社僧神前御祈念之事等注文」(「吉備津彦神社史料 第一文書編」1936)によると、八間八間の本社、四間四間の拝殿、その前に四間十六間の長屋等々、更に六間四面の神宮寺本堂、七間四面の神力寺本堂と神仏混淆の一大伽藍であったようである。
この本殿は永禄五年(1562)松田 元賢により日蓮宗に改宗しなかったということで、放火され焼失する。慶長五年(1600)に至り小早川秀秋により、備中在住の大工・小工を使い再建に着手、しかし関ヶ原の戦いのため、礎柱までで中断、完成したのは同九年(1604)池田利隆であった。
「寛文八年(1668)国主左少将源光政朝臣、御造営あるべしとて、御神体を仮宮に遷され、旧殿を壊ち給ふ」と天保十一年(1840)の「備前一宮日供講勧進帳」にある。光政没後であるが、延宝六年(1678)池田信輝(輝武命)・池田輝政(火星照命)を相殿に祀る。光政の推進した先祖祭祀が背景にあるのだろう。「勧進帳」は「三十年を経て元禄十年(1697)、国主左少将源綱政朝臣の時にいたりて、御普請成就す、是今の御宮なり」と続ける。池田家の出身地の様式、尾張造りである。
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