一葉一楽

寺社百景

八葉寺 ー 空也

2023-07-28 12:29:43 | 寺院
源為憲の「空也誄」に「陸奥出羽蛮夷之地。仏教罕到。法音希有」と、この後の欠字を「六波羅蜜寺縁起」(保安三年(1122)成立)で補うと、「上人負仏像、担経綸、出此中花之月、入彼東夷之雲、便吹大法螺、説微妙法、烏夷之俗、烏合帰真」となる。但し「空也誄」とほゞ同時期完成の慶滋保胤の「日本往生極楽記」にはこの記載はない。
八葉寺は康保元年(964)に空也開創という。享徳二年(1454)回禄(前年には奥州享徳地震が発生)、天正十七年(1589)伊達政宗の火に罹り伽藍堂舎一宇残らず焼失したという。現阿弥陀堂は文禄年中(1592ー1596)に再建されたものである。
阿弥陀堂には、今は舎利殿に安置されている木造五輪塔があったそうだが、民衆のための骨堂的要素があったのであろう。会津の高野山と云われる所以である。また慶長十一年(1606)の屋根葺き替えは念仏衆が主体であった。権威・権力ではなく念仏衆が八葉寺を支えたようである。








(注)2023年6月撮影
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