一葉一楽

寺社百景

御上神社 ー 後戸

2021-03-11 11:32:10 | 神社
正面性を重んじる神社に、背面に扉と木階と、出入口がある。「後戸の神」はその解釈の一つであるが、「後戸の神」は勢多羅神、阿弥陀経及び念仏の守護神である。この場合は本地仏の守護神であろうか。描かれた年代は判らないが、「三上古跡図」には、本殿は大明神ー弥勒と、若宮には釈迦・観音菩薩と、十禅師(現三宮)には地蔵とある。神仏習合の形で信仰されていた。弥勒が本殿の本地佛ということは、弥勒信仰が盛んであったころの状態を描いている、即ち平安末期以降の図であるということか。
また「日本霊異記」下巻第二十四縁(「新日本古典文学大系」岩波書店 1996)に神主が籾を保管しているとある。時代は遡るが、本殿後室が籾の保管場所であったとの推測は捨てられない。
いずれにしても本殿棟の千木・堅魚木は似合わない。


  楼門

      本殿

  摂社

(注)2019年12月撮影
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